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2018年12月12日

【てくさぽBLOG】業務の効率化に役立つRPAとは?~IBM RPA with Automation Anywhere編~

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 最近世間で業務の効率化ツールとして注目を集めているソリューションであるRPA(Robotic Process Automation)。 第一回は概要編 (業務の効率化に役立つRPAとは?~概要編~)、 第二回はWinActor (業務の効率化に役立つRPAとは? ~WinActor編~) についてでしたが、今回の第三回はIBM社が提供している「IBM RPA with Automation Anywhere」(以下IBM RPA with AA)を紹介します。 IBM RPA with AAとは? IBM RPA with AAは、IBM社の製品ではありますが、RPA部分の中身はAutomation Anywhere社の製品を利用しています。 Automation Anywhereという会社とその製品を日本国内で聞くことはまだ少ないかもしれませんが、Automation Anywhere社の製品は2018年2QのForrester WaveにおいてLeaderポジションと位置付けられています。 日本国内でのシェアは高くありませんが、全世界的に見ると認知度が高く実績も多い製品です。 さて、そのAutomation Anywhere社のRPA製品と組み合わせたIBM RPA with AAですが、他の製品と何が違うのでしょうか? 一番大きな違いは、業務全体を最適化するための支援ツールであるBusiness Automation Workflow製品(旧Business Process Manager)が同梱されていることです。 この製品と組み合わせて利用すると、対象業務の全体像やどこがボトルネックとなっているのかを把握できるようになり、またプロセスのどこが人間でどこをロボットに実施させるのか、を設定ができます。 IBM RPA with AAの製品としては"Platform"と"Platform Express"の2種類が提供されており、PlatformにはBusiness Automation Workflowだけでなく判断ロジックを外部で管理するIBM Operational Decision ManagerとOCR機能であるIBM DataCapも同梱されています。 なので、Platformを購入すればOCRの利用や複雑な判断が入るような処理を実装する時に別の製品を購入する必要がありません。 また、SAP連携やCitrix連携モジュールが製品内に用意されているため、これらの操作を自動化する際には楽にロボットを作成することができます。 IBM RPA with AAの使い方 まず、IBM RPA with AAは"サーバー型"の製品なので、管理サーバー(Control Room)が必須です。 ロボットの実行やステータスは管理サーバーで管理されますので、普段は管理サーバーを確認しておけば済みます。 サーバーでロボットを管理するので、勝手にロボットが増殖し誰も管理できていないという状況を防げるのが強みです。 ロボットを作る時には、一からロボットの動作を定義するのではなく、レコード機能を利用することができます。 オブジェクトを取得する"Smart Recorder"、座標を取得する"Screen Recorder"、HTMLの構造を取得する"Web Recorder"の3つのレコードを搭載しているので、場面に応じた最適な方法を選択することができます。 また、ロボットに実装できるコマンドは約500種類もあるため、大体の操作はAutomation Anywhereの機能で実現できます。 では、実際の操作を見てみましょう。 まずは簡単にメモ帳に"demo"と打ってそれを"demo.txt"ファイルとして保存するということをレコードします。 "Record"ボタンを押すと画面の右下に四角い"Recording"ウィンドウが表示されます。これがレコード中ということを示すもので、レコードが終わったら"Stop"ボタンを押すだけです。 結果は切れてしまっているので次の画面を見てください。 "Actions List"にレコードした結果が自動的に出力されています。 正しく実行できるのか"Run"ボタンを押して確認をすると、先ほどレコードした操作が同じように実行できていることが分かります。 ※ファイル保存処理の部分が目視できないほど高速処理となってしまっています。分かりづらく申し訳ありません。 "Actions List"内の内容がロボットが実行する動作を定義したものですが、一見するとプログラミング言語で記載されているように見えます。 自分でロボットを作る時に全部書かないといけないとするとしんどい、と思うかもしれませんがご安心ください。 コードのように見えますが、ここは直接編集できず、設定はすべてGUIベースとなります。 例えば"If"の動作設定画面は以下のようになります。 画面では設定した特定のフォルダーがある時の動作を定義しています。If文で使う条件と比較する対象を設定するだけなのでコーディングとは全く違うものになります。 画面左側の"If/Else"カテゴリから"Folder Exists"を右側のペインにドラッグ&ドロップし、設定をするだけで1から3行目の動作が自動的に挿入されます。 ですので、簡単にロボットを作ることができるということが理解頂けるかと思います。 まとめ 今回はIBM RPA with Automation Anywhereの導入部分のみのご紹介で全てをご紹介しきれていません。 ロボットの動作を定義する部分の見た目はコーディングしているように見えますが、実際にはGUIで設定をしていること、レコード機能をうまく使えば手作業で動作を設定することが少なく済むことを理解頂ければ今回のブログは成功です。 より詳細なご説明をご希望される場合は、遠慮なくお問合せ下さい。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年10月24日

ブロックチェーンの取り組みについて考える

こんにちは。企画推進部の久田です。 今回は、昨今話題のブロックチェーンについて、考えたいと思います。 ブロックチェーンというキーワードは、ここ1~2年で露出が増えてきました。 仮想通貨の盛り上がりにより、「ブロックチェーン」に注目が集まってきていると思われますが、その「ブロックチェーン」や「仮想通貨」と聞いて、皆様はどのようなイメージを持たれますか? 日本では残念ながら一般的に、ブロックチェーン → 仮想通貨 → ビットコイン → 資産消失… という流れでなかなか良いイメージを持たれていない、というのが現状です。 世界に目を向けると、実は2008年頃からブロックチェーンへの取り組みが始まっており、ブロックチェーン技術への期待がどんどん高まっています。それは、オープンソースかつ中央集権的でないこの技術はある意味、上手く応用すれば、多岐に渡って使途が広がると考えられているからです。   日本企業のブロックチェーンへの取り組み状況 従業員数500人以上の日本企業を対象として2018年2月にガートナーが実施したブロックチェーンへの取り組み状況に関する調査の結果、42.6%の企業が、調査など初期的なものも含めブロックチェーンに何かしらの形で取り組んでいることが明らかになりました。 (図1. 日本企業のブロックチェーンへの取り組み状況参照) 出典:ガートナープレスリリース 「ガートナー、ブロックチェーンへの取り組みに関する調査結果を発表 40%以上の日本企業は既に何らかの取り組みを開始していることが明らかに」2018年4月5日 「3年以内にブロックチェーンに取り組む日本企業は、60%程度に達するとガートナーでは予測しています。将来を見通した場合、ブロックチェーンの応用から社会が変化していくことは、ほぼ間違いないとみています」 出典:ガートナープレスリリース 「ガートナー、ブロックチェーンへの取り組みに関する調査結果を発表 40%以上の日本企業は既に何らかの取り組みを開始していることが明らかに」2018年4月5日 という状況のようです。数年後にはブロックチェーン技術を利用して新ビジネス創出は必然的な流れになってくると考えます。   そもそもブロックチェーンとは? まず、「ブロックチェーン」について基本的なところの押さえとして、Wikipedia には、 「ブロックチェーン(英語: Blockchain、ブロックチェインとも)とは、分散型台帳技術、または、分散型ネットワークである。ビットコインの中核技術(サトシ・ナカモトが開発)を原型とするデータベースである。ブロックと呼ばれる順序付けられたレコードの連続的に増加するリストを持つ。各ブロックには、タイムスタンプと前のブロックへのリンクが含まれている。理論上、一度記録すると、ブロック内のデータを遡及的に変更することはできない。」 出典:「ブロックチェーン」 Wikipedia とあります。従いまして「一度記録すると、ブロック内のデータを遡及的に変更することができない」ことが特徴で、主だった活用はデータ改ざんが許されない金融情報などでの活用から広がっていくと期待されています。 次はブロックチェーンの技術を活用した国際送金の例になります。   国連の難民支援に活用されているブロックチェーン MIT TECHNOLOGY REVIEW の記事によると、ヨルダンにおける国連の難民支援にブロックチェーンが一役買っているとのことです。 2017年にWFP(World Food Programme)は食料支援全体の30%に相当する13億ドル強を金融機関に送金し、何百万食に相当する資金が手数料などとして消えてしまった(実際の食事にならなかった)。ブロックチェーンを利用することで(これはまだ初期の結果ではあるが)、手数料などを98%減らせたという。 出典:「ヨルダン現地ルポブロックチェーンが変える国連難民支援のいま」、『MITテクノロジーレビュー』(https://www.technologyreview.jp/)、角川アスキー総合研究所、アクセス日:(2018年10月17日) ファイル共有などを行うための P2P 技術をベースとしています。中央集権的なサーバーを持たず分散型でデータを確保することが特徴で、大規模な投資を抑え、確実な台帳管理を可能にしています。 大規模投資を必要としない仮想通貨の根幹技術が、世界的な食料支援金の資金管理に活用され社会貢献している、というのは、日本でのイメージを払拭する活用方法ではないでしょうか。   地方自治体でも取り組みが開始されています 石川県加賀市では、ブロックチェーンの技術を中心に電子行政などの社会コスト削減と利便性向上や地域活性化分野の研究に取り組み始めています。 電子化の点ではブロックチェーンでなくても可能ですが、強固なセキュリティを必要とする場合には結果としてコストが嵩むケースが多いと思います。そこをブロックチェーン技術でコスト低減を図りつつ高いセキュリティの実現でコスト削減を目指されております。また、更にIT活用を進め、庁内での作業について自動化を促進して、市民が役所へ出向くといった面倒で時間のかかる作業への軽減も目指されております。 まずファーストステップとしては、本人認証基盤「KYC(Know Your Customer)認証基盤」を構築し、地域内サービスの認証を一元化することによるコスト削減や、集積したデータを活用した研究開発などから着手されるようです。 出典:「PC-Webzine 人口減少などの課題をブロックチェーン技術で解決へ~加賀市の取り組み~」 茨城県つくば市でのケースでは、ブロックチェーンの技術とマイナンバーカードを用いて国内初のインターネット投票の実証実験が実施されました。 実証実験では、投票内容の改ざん防止や秘匿性を確保しつつ、適正で効率的な投票の実現を目的として実施され、結果、投票の正当性、秘密投票、非改ざん性が、ブロックチェーン技術を活用した今回の投票によって実証されたと報告されております。 出典:「仮想通貨Watch つくば市、ブロックチェーンとマイナンバーカードを活用したネット投票を実施」 出典:「仮想通貨Watch つくば市のネット投票実証実験が成功、パイプドビッツが構築した投票システム」 このように日本のそれも地方自治体においてもブロックチェーン技術の活用は始まっています。今後、官民問わずこの流れは加速することが予想されます。   増々盛り上がるブロックチェーン技術をどのように活用すれば良いのか? 私見になりますが、日本ではガートナーのレポートからもわかるように、「Blockchain は取り組むべき技術ではあるが、どこから始めて良いかわからない」、という状況にあります。しかし、今後増々データ量が増え続けるという現実において、”どのデータを信用して良いか”、”改ざんされない安全なデータであることの証明はどうすれば良いか”という観点の取り組みが必要になってきます。そうなると、ブロックチェーンの技術が、様々な仕組みに取り込まれていくと考えるのが妥当でしょう。 どのように取り組むべきか、という点では、国内外400社以上のお客様とブロックチェーン構築した知見をもとにしたIBM Blockchain スタートアップ・プログラムを通じて、ノウハウを享受することが、ブロックチェーンに対するファーストステップの取り組みとして良いのではないかと考えます。   多数のブロックチェーン技術活用事例を保有する日本アイ・ビー・エム あらゆる企業で Blockchain の取り組みが検討されていると思いますが日本ブロックチェーン協会の会員でJBAブロックチェーン部門の日本アイ・ビー・エムでは「Hyperledger Fabric」の基盤を用いて、サプライチェーンや地方創生への取り組み、委託作業や契約締結の可視化など、多数事例(知見)があります。 日本アイ・ビー・エムではIBM Cloudサービスである「IBM Blockchain Platform」の提供を通じて、「開発」「ガバナンス」「運用」までを包括したソリューションの提供が可能であり、具体的には「分散台帳(*1)」、「スマート・コントラクト(*2)」、「合意形成(*3)」、「暗号技術(*4)」の機能などを通じて、IBM Cloud 経由で本番利用に求められるシステム性能と高度なセキュリティーの提供をいたします。 (*1)分散台帳:取引履歴と資産の状況を保存し共有 (*2)スマート・コントラクト:取引ルールを規定し処理を自動化 (*3)合意形成:取引をシステム上で確定 (*4)暗号技術:匿名性や秘匿性レベルを選択して取引の安全性を確保および認証   まとめ 既に地方創生の分野で研究や実証実験に着手しているように、あらゆる分野でブロックチェーン技術の活用が広がってくると考えられます。 自動車や建設業界においては複数企業との連携で製造や建設が成立しているため、現場で取り扱うデータの管理という点でも有益な技術になります。 透明性という観点では、IoTとの連携による第一次産業でも活用されるだけではなく、増々 企業や各国での研究(取り組み)が盛んになり、今までは考えがつかなかった取り組みが生まれてくる可能性があります。 最新技術だけではなく、あらゆる動向にアンテナを張り巡らし、市場の流れという点も意識することも重要ではないでしょうか。  

2018年09月25日

【てくさぽBLOG】業務の効率化に役立つRPAとは?~WinActor編~

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 最近世間で業務の効率化ツールとして注目を集めているソリューションであるRPA(Robotic Process Automation)。 第一回記事は概要編でしたが、今回は第二回としてNTT-AT社が製品として出荷している「WinActor®」を紹介します。 1.WinActorってどんな製品? RPA製品全般的にですが、実現できることは「パソコン上の操作の実行」です。 例えば、Webページ上の特定の情報をExcelに転記する、テキストのデータを読み込んでWebサイトに入力する、などがあります。 WinActorはNTT-AT社が開発した製品で、初期の製品出荷開始が2014年と既に4年もの出荷実績があります。 この製品の主な特長としては以下が挙げられます。 ・日本国内でのシェアNo.1(情報元:WinActorサイト) ・国産製品なのでGUIはもちろん日本語 ・フローチャート形式でシナリオを作成 実際のロボット作成画面は以下のようになります。 画面の左下の部分がロボットの動作を定義する画面ですが、フローチャートのようになっていることが分かりますね。 ・WinActorが用意している部品や画像マッチングを利用して様々なアプリケーションの操作が可能 ExcelやWordなどはWinActor自体が用意している部品を使って、例えばExcelのアクティブなセルの移動や値のコピー、書式設定といった操作を実現できます。 それ以外の部品の用意されていないアプリケーションに関しては画像マッチングで対象を特定することで、様々なアプリケーションの操作が可能になります。 簡単な例として、NotesDBに対する新規文書作成操作のデモを画像認識とテキスト入力だけで作ったのでご覧下さい。 デモの中で、黄色の枠が画像認識をした部分の動作になります。例えば最初の画面では「ディスカッション」と書かれた文字の画像を認識してNotesDBを開いています。 ・専用サーバーが不要で、WindowsPC 1台だけでも稼働可能 WinActorはサーバーを用意する必要が無く、PC上にインストール・稼働可能です。 WinActorを利用開始するための初期投資としてはWinActorライセンス費用+シナリオ作成作業費用(+WinActor実行用PC)のみですので、安価にRPAの利用が開始できます。 サーバー不要でPC上のみで完結できる製品をデスクトップ型の製品と呼びますが、対して専用サーバーでロボットの実行・管理をする製品もあります。こちらはサーバー型の製品となります。 それぞれの違いについては次章で解説をします。   2.デスクトップ型とサーバー型 今回紹介しているWinActorは「デスクトップ型」の製品ですが、世の中の他のRPA製品には「サーバー型」のものもあります。 何が違うのでしょうか? ポイントは「ロボットの管理」です。 デスクトップ型 デスクトップ型はRPAのソフトウェアをPC上に導入し、そこでロボットを稼働させます。 全て1台の端末上で完結するため、個人の端末上でも、部門共有PCでも導入することができ、現場での取り回しが容易な形式です。 デスクトップ型の利用イメージとしては以下のようになります。 1つ注意が必要な点としては、デスクトップ型の製品ではロボットが処理を実行している時にはPCを占有するため、個人のPCに入れるというよりも専用PCを用意することを推奨しています。 デスクトップ型製品では、簡単にロボットを作成・稼働できるのがよい点ですが、反面、全社で統一管理をしたいという要望がある場合には不向きです。 WinActorの場合、統合管理するソリューションを追加できるよう準備していますので、このような要望にも対応できるように機能拡張をしています。 サーバー型 デスクトップ型はデスクトップ上でロボットを動かす。それに対してサーバー型は「サーバー上でロボットを動かす」から「サーバー型」なんじゃないか?と推測するかもしれません。 サーバー型は「ロボットをサーバー上で管理する」のでサーバー型と呼ばれます。 当然管理するためのサーバーを別途用意する必要がありますので、その分費用も高くなりがちですが、ロボットの実行環境を増やしたい場合には一元管理するメリットが活きるので比較的大きな環境向けといえるでしょう。 また、製品にもよりますが、PC上でもサーバー上でもどちらでもロボットを実行可能です。 ロボットの実行は管理サーバー上で管理されますので、管理者が管理サーバー上でスケジュール実行や実行トリガーの設定をすることによって実行できます。(手動実行もできます) 構成のイメージは以下のようになります。   3.まとめ WinActorの画面イメージや簡単なデモ動画をご紹介しましたが、どのような製品かイメージがついたでしょうか。 WinActorはロボットを作る操作がさほど難しくなく、RPAで実現する生産性向上の第一歩として使い始める製品としては非常に有用です。 まずは身近な業務で複数の人が同じような業務を行っているのであれば、そこからRPA化を着手してみるのもいいのではないでしょうか。   ※WinActor®はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年08月29日

【てくさぽBLOG】業務の効率化に役立つRPAとは?~概要編~

こんにちは。 てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 最近世間で業務の効率化ツールとして注目を集めているソリューションであるRPA(Robotic Process Automation)。 どんなソリューションなのか?どういうところに適用する(できる)のか?が言葉を聞いただけではなかなか理解しづらいので、今回はRPAの概要編ということで解説をいたします。   1.RPAって? RPAは"Robotic Process Automation"の略です。”Robotic”とあるので、Pepperのようなロボットを想像するかもしれません。 または、工場などに設置されているような製品を組み立てるために使う機械を想像するかもしれません。 実はRPAでいう”ロボット”は物理的なロボットではなく”ソフトウェアのロボット”を指します。ソフトウェアなので、”パソコン上の操作を自動化する”ためのロボットとなります。 よくあるRPAの使い方の例としては以下のようなものがあります。 例1:Excel(CSV)で受け取ったお客様情報一覧を社内の顧客管理システムに入力する 例2:ECサイトを巡って自社製品の実勢価格を一覧としてExcelにまとめる 上記のようなことを実現できる、PC操作を自動化するためのソフトウェアロボ=RPA なわけですが、RPAが最も威力を発揮するのは複数のアプリケーションをまたぐ操作の自動化です。 Excel内で完結する処理なのであれば、マクロで済んでしまいますが、RPAはExcelをはじめとした、Webブラウザや専用アプリケーション間のデータの橋渡しができるソリューションです。 例えば、顧客マスタのExcel(CSV)を元に顧客管理システムと販売管理システムのそれぞれに顧客情報を登録することができます。 世の中にはRPAソリューションが多数ありますが、大きく2種類の特長に分類できます。 サーバー実行型 デスクトップ実行型 サーバー実行型は実行するロボットをサーバー上で管理します。特に多くのロボットを稼働させる場合には実行スケジュールの調整やスケールアウトの柔軟性が高いという点でも集中管理する場合にはサーバー型が最適です。 それに対してデスクトップ実行型はユーザーの端末上でロボットを稼働させることができます。サーバーを用意する必要がないため、すぐに始められる(スモールスタートできる)ところが良い点です。 デスクトップ実行型はRDA(Robotic Desktop Automation)と呼ばれることもあります。 サーバー実行型・クライアント実行型のどちらがよいのか?という問いには、それぞれにメリット・デメリットがあるのでケース・バイ・ケースとしか言えません。どのような業務を対象とするのか、どの程度の規模になるのかによって、最適なものを選択する必要があります。 海外製品も含めたRPAのメジャーな製品を分類すると以下のようになります。   2.RPAを使うとどういう効果があるの? RPAを導入すると以下の効果が見込めます。 人為的な操作ミスによる手戻りの削減 業務のスピードアップ・効率化 人間がより付加価値の高い仕事に時間を割けるようになる また、RPAを導入する際に業務プロセスの見直しをすることが多いので、副次的な効果として、業務プロセスの簡素化を実現することもあります。 RPAを導入することによって効果が大きくなる業務は以下のようなパターンです。 業務の量が多く、転記やシステムへの入力といった操作の繰り返し 同じ内容(例:お客様情報)を複数システムへ登録 他には、RPA単体ではなくOCR製品と組み合わせて帳票の読み取りからシステムへの入力までを自動化する、という業務も効果が大きくなります。 このように、人間の判断が比較的少ない操作をRPAにより自動化することで従業員のワークロード削減に繋がります。 さらに、対象業務によってはお客様の待ち時間が減少し、顧客満足度向上につながる、なんてことも有り得ます。 具体的な例として、弊社内で実装した例を以下に挙げます。 この例では、メーカーのサイトにある発表レターを弊社のサイトに掲載する業務の自動化になります。 この仕組みを実装することで、人間が定型的・定期的に実行していた業務の一部を自動化でき、メーカーサイト・CMS・Notesと3か所あった作業ポイントがCMSのみの1か所に集約できています。   3.RPAでロボットを作るにはどうしたらよいの? 製品にもよりますが、ロボットは主に以下の2種類の方法で動作を定義することができます。 1.操作を録画し再現する 2.操作を手作業で定義する 最もお手軽なのは1.による録画ですので、この機能を利用することが基本となりますが、人間が実行した操作を記録するだけなので人間が頭で判断しているコト(例えば条件分岐や繰り返し操作)を網羅してロボットを作ることができません。 そのため、条件分岐などを実装するためには、2.を使うことになります。 ロボットの定義は実行してすぐに動作を確認することができるので、「1.で録画」→「2.で条件分岐・繰り返し操作を実装」→ロボットを実行して動作確認→他の操作を「1.で録画」→「2.で条件分岐・繰り返し操作を実装」→ロボットを実行して動作確認・・・ ということを繰り返してロボットを作っていきます。 製品によっても違う部分がありますが、Webブラウザの操作を記録する場合、HTML構文解析機能をもっているものは、HTMLタグのどの項目をどのように変える(入力する)のか、ということを判断できるので、精度が高くなります。 また、画像認識機能を持つ製品もあり、それらの製品ではウィンドウ内の位置情報だけでなく「どのボタンを押すか」を画像一致で検索・実行できます。 ロボットの一連の動作を定義したものを”シナリオ”と呼びますが、シナリオの書き方が製品毎に大きく異なります。 フローチャートのように動作を定義していくものもあれば、まるでプログラミング言語でコーディングをするかのようにシナリオを作るものもあります。 RPAとしての機能だけではなく、維持運用のことも考慮して”どのようにシナリオを作るのか?”も気を付けた方がよいポイントです。 「ロボットを作るにはどういうスキルセットが必要なの?」と聞かれることも多いのですが、条件分岐・繰り返しもあり、正しい処理に直すためのデバッグを考えるとプログラミングを全くやったことが無い人だけでは難しいです。 しかし、バリバリのプログラミングスキルが必要かというとそうでもないので、Excelマクロを組んだことがある人であれば問題ないレベルではないかと思います。   4.まとめ 今回は概要の解説ですが、実際には製品によって実現できることが大きく変わってきます。モノによっては、RPA製品単体で実現出来るけれど、別の製品だと他の製品を購入・連携させないといけない、なんてこともあります。 また、Webブラウザの操作はHTML構文解析機能を利用するため精度が高いのですが、それ以外のアプリケーション(Office製品除く)は専用のモジュールが用意されていないことが多いので、画像認識や座標指定での実装となり、精度が落ち、実装できることに制限が発生することが多いです。 製品選定をする場合には、RPA製品としてどのようなモジュールが用意されているのかについても気にした方がよいポイントの一つです。 次回以降に、弊社が取扱いできる2製品(WinActor、IBM RPA with Automation Anywhere)を検証しましたので、その内容や製品の特長も含めて解説をしていきますのでお楽しみに。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年07月13日

【てくさぽBLOG】「IBM i World 2018」に参加した

皆さんこんにちは。てくさぽBLOGメンバーの河野です。 2018年6月に IBM i が AS/400 として誕生してから30年が経ちました。 IBM i は、この30年間に様々なテクノロジーを吸収し、名称をその時々で変えつつ、性能も大幅に進歩しています。長きにわたり全世界のユーザーに支持されているのは、移植性、堅牢性等の製品コンセプトが、誕生から変わらないことが、大きな要因ではないでしょうか。 次の30年に向けてスタートを切った、IBM i。全世界にも中継された、記念すべき IBM i  World 2018に参加してきました様子をご報告します。   IBM i  World 2018は、秋葉原コンベンション・ホールで開催されました。会場内は満席で、その期待と熱気が伝わってきました。そして、14:00 の定刻通りにオープニング・セッションが開始されました。   IBM i ユーザーがすぐにでも取り組める事例 講演は、どれも興味深いものでした。その中でも IBM i ユーザーがすぐに取り組める話として、九州三菱自動車販売株式会社様の開発事例が特に興味深かったので、ご紹介します。 九州三菱自動車販売様では、来店のお客様情報をリアルタイムに把握できないという課題に対して、ナンバープレートをカメラで読み取り、リアルタイムにお客様担当者へ通知する仕組みを導入していました。 しかし、1台のPCにしか情報が届かないために、結果として“ご用件を伺って予約いただいたお客様”に対して、ご来店時に再度ご用件を伺うといったような“効率の悪さ”があり、うまく仕組みを活用できていない、という課題がありました。そこで、通知を専用PCではなく、音声で担当者のPCに知らせる、インカムで来店通知を一斉発報する仕組みを構築しました。 その際に必要となったのが、ナンバープレート読み取り機能と IBM i 上の顧客データとの連携です。そこで、採用した技術がOSS(Open Source Software)を組合せて独自開発して、IBM i と連携させる仕組みでした。 最新の IBM i は、OSS 連携ツールが充実してきており、また、ユーザー研究会等の IBM i コミュニティからアドバイスやヒントが得られることも、実装する上で大きかったようです。 開発が進み、最終的には、インカムへ音声通知する仕組みまでを3ヶ月で完了しました。   私は、IBM i は基幹システム、という堅いイメージがあったのですが、最近の活用のされかたは、画像情報とリアルタイム連携するなど、進化し続けていることを改めて感じました。 増々 OSS が進化することと思います。OSS の進化に併せOSS との連携(データ連携)に関連しセキュリティやネットワークといった技術との連携も意識して取り組みが必要となってくるはず、と感じました。 事例発表の後、IBM からの使用技術の説明があり、更に理解を深めることができ、参加されたユーザーの方々もチャレンジして欲しい内容の話でした。   働き方改革に貢献する事例 もう一つのユーザー事例は、住商モンブラン株式会社様の働き方改革に対する取り組みでした。 それは、IBM i 上のリアルタイムの売り上げデータを IBM Watson へデータ連携することにより、生産計画のための分析資料を、簡単に作成できるというものでした。 住商モンブラン様では、IBM i の基幹データをコアに、様々なツールと簡単に連携させることにより、生産性が向上し、残業を削減させることに成功しました。これはまさに、今問われている働き方改革に IBM i とそのデータ活用が貢献する話でした。   最新技術との連携で課題解決に貢献する IBM i 今後は、IBM i を企業を支える基幹システムとしての役割だけはなく、生産性向上、顧客満足度向上、企業価値の向上など多くの役割を担える、ということがわかった IBM i World 2018での事例紹介でした。 今後も、IBM i をフォローしていきたいと思います。   ※この記事は2018年7月6日時点の情報を基に作成しています。 この記事に関するご質問は、下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年06月27日

【てくさぽBLOG】「IBM Think Japan 2018」に参加した ~イノベーションはエンジニアがリードする!~

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの山田です。 6月11日―12日に開催された IBM Think Japan 2018に参加してきました。 今、IT業界ではデベロッパー向けのイベントが増えていますが、IBM Think Japan 2018 も、初日を Code Day と称して3,000人を超えるデベロッパーが参加するイベントとなりました。 そのキーメッセージは、 世界はITでできている。イノベーションはエンジニアがリードする。 です。   イノベーションを牽引するエンジニアの時代 今年3月に開催されたラスベガスの IBM Think にも参加しましたが、Code Dayと銘打ってエンジニア向けの日程を設けたり、新世代エンジニアを登壇させたりという企画は、日本独自のものでした。この新世代エンジニアを登壇させるという企画からはグローバル以上に強いメッセージを感じました。逆にいえば、日本ではまだまだエンジニアへのフォーカスが弱いという証拠なのかもしれません。 新世代エンジニア4名が登壇した「エンジニア達の世界観」をテーマとしたパネルディスカッションは、IBMイベントとしては異色でした。 ここがポイント! 彼らは異口同音に、場所や時間にとらわれない働き方が理想であり、エンジニアはそれを実現できると述べている コミュニティへの所属は、個人だけでなく組織や社会への貢献につながる エンジニアは課題を持つ現場と一緒に解決に取り組むことが大事 特に、高齢化という現場の課題を挙げ、テクノロジーによる身体能力拡張や自動化の研究に取り組んでいるという話では、若者たちが高齢化への取り組みを前向きなチャレンジとしてとらえ、日本ならではの強みになると考えていることに感動と期待を感じました。 IBMの主催イベントでありながら、IBM製品やテクノロジーについてまったく話題にしなかったことも面白く、こういった発想をもつエンジニアの皆さんが、どのようなテクノロジーを評価し、どのようなツールを使うのかを、市場は注目しているに違いないと感じました。   IBM Code Patterns はまさにデベロッパーのためのツール 今回のイベントで大々的に発表された「IBM Code Patterns(コードパターン)」は、まさに彼らにとって有効なツールになりえるのではと思いました。 IBM Code Patterns は、アプリケーション開発に役立つアイデアやコードが、以下のような作りたいアプリケーションの目的別に提供されたものです。例えば、ブロックチェーン・ネットワークを構築する、API Connect と Secure Gateway を使用してハイブリッド・クラウドを作成するなど、ディベロッパーのための様々ツールを提供しています。   コードを読む時間が短縮できるというメリット IBM Code Patterns では、作りたいアプリケーションの目的別にアーキテクチャ、サンプルコード、ドキュメント類がまとめて提供され、コードを読む時間が短縮できるというメリットがあります。 モバイル、クラウド、AI など、現在のアプリケーション開発は複数のテクノロジーが複雑に絡み合っています。そのため、それぞれの分野のスぺシャリストが、コミュニティで活動することが重要です。また、エンタープライズの世界では業種ごとの専門的要件なども関係するため、Context(文脈)も重要になっています。これらの状況を踏まえ、IBM Code Patternsがアプリケーション開発に役立つアイデアやコードを提供することで、開発者の次のステージをサポートするのです。 更にコグニティブの出現とともに”開発者は意思決定者に進化した”というメッセージにもある通り、エンジニアはテクノロジーを使って言われたものを作るのではなく、クリエーターであり、イノベーターであり、ダイバーシティを表現する存在として期待されているということと捉えることができます。   印象に残ったセッション 40以上の Breakout Session では、テクノロジーや開発手法などのトピックがデモやユースケースを通じて具体的に紹介されていました。 二日目の General Session では、この1年でどんなことが起きたのかを日本IBMの社長であるエリー・キーナン氏が振り返っていました。 テクノロジーの変革は大きく飛躍しました。 AI の認知度が上がり、日本でも Watson 導入企業は7倍になった ブロックチェーンの導入により、トレーサビリティの時間も7日から2.2秒に短縮された 量子コンピューターで、アジア初の HUB を開設した テクノロジー以外のことでは、ディスラプション(破壊的イノベーション)について語っていたことが記憶に焼き付いています。元々ディスラプションは Uber のように業界以外から起きると言われていました。しかし、実は業界 TOP の既存企業によるディスラプションが大幅に拡大していることが分かったそうです。 これは、既存企業が持つ非公開データの存在が大きく影響しているようで、データの重要性を裏付ける現象だと言えるでしょう。   楽天の取り組み Keynote として講演された楽天の事例は、初日のエンジニアによるイノベーションと、ディスラプションとなりえる企業の戦略を表したものだったと感じました。 楽天は、昨年、Watson のテクノロジーと楽天のビジネス上のノウハウを活用し、”楽天AIプラットフォーム”という社内システムを構築しましたが、驚くべきことに、1年間に38ものチャットボットを立ち上げ、サービスの品質や利便性を向上させているとのことでした。 更に、このような楽天エンジニアのスペックやその取り巻く環境も興味深いものがありました。 世界8か国に4,600人のエンジニアを抱え、国内に至っても日本人比率は、41% とまさにグローバル化されています。また、女性が23%を占めるダイバーシティな環境でもあります。社内の英語公用語化も、世界中から優秀なエンジニアを集めるための1つの施策だったそうなので、エンジニアへの期待値は相当高いと言えます。 今後、ブロックチェーンの技術を活用した楽天ポイントのグローバル通貨化の構想もあり、楽天ポイントを通じて個人的にも先進テクノロジーの恩恵を受けることができるのかとワクワクしました。 もはや仮想通貨に限らず様々なエリアで活用される技術となったブロックチェーンについては、近いうちに特集で取り上げたいと思います。   まとめ 最後に、初日に講演していたWatsonの生みの親グラディ・ブーチ氏は、 今やデベロッパーはすばらしいコードを書くだけでなく、経済的価値をもち、倫理的・道徳的な課題を解決するコードを書かないといけない。世界を変えているのでその責任があるのだ。 と語っていました。 正直、そこまで言う?とその時は思いました。しかし、二日間セッションに参加するうちに、IBMはこんなにもエンジニアを大事にしている、と感じると共に、ビジネスパートナー様をサポートする立場として、エンジニア向けにどんなサポートができるのかを考えさせられるイベントとなりました。   ※この記事は2018年6月27日時点の情報を基に作成しています。 この記事に関するご質問は、下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年04月27日

【てくさぽBLOG】「IBM Think 2018」に参加してきた

皆さんこんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐藤です。 IBM のグローバルイベントである「IBM Think 2018」(以下 Think)に参加するため、ラスベガスに行ってきました。 Think は 3/18-22の 5日間開催で、IBM の最新の情報や事例などのセッションが 2,700 以上(!)もあり、注力イベントになります。 セキュリティ、Watson 、ブロックチェーンといった最新テクノロジーや量子コンピュータIBM Qといった製品に至るまで幅広い範囲をカバーしています。 本記事ではハードウェアを中心の内容をお届けします。 1.伝統と革新のメインフレームIBM Z IBM Z 関連でいくつか発表・言及がありました。 IBM Zというとメインフレームで枯れたハードウェアで老朽化にともない粛々とリプレースを繰り返す…そんなイメージがあるかと思います。 セキュリティに関しては、z14から、すべてのデータをOSレベルで100%暗号化を実現しています。 しかし、メインフレームであれば基本的にはローカルネットワーク上にあるはずで、そこまで強固な暗号化がそもそも必要なのか?という疑問が出るかと思います。 IBMからのメッセージは、データ活用、クラウド化、ブロックチェーンといったキーワードでした。 すなわちIBM Zのデータをもっと活用してより新しいサービスを提供しよう! 新しいサービスには、Watson等の他のシステムとの連携が必要になり、様々なシステムとつながることになり、よりいっそう脅威にさらされやすくなることを意味しています。 IBM Zは他のシステムとの連携で攻めに転じつつ、100%暗号化で守りも万全という攻守がそろったシステムとなります。 写真はz14、クリアパネルで中が見えるようになっていた特別な展示モデルです。 正確に言うと拡張ボードの筐体、中央のバックプレーンに対して前後で拡張ボードが刺さるという効率的なデザイン。 昔を知る人間からすると、NEC PC‐9800シリーズのCバスを彷彿とさせる構造。 2.OpenPower OpenPower系ですが、IBM Powerとは別に展示がありました。 日本で未発売の1U Power9モデルやラックスペース社のモデル、Googleの社内使用の特別モデル 珍しいところでは、ロシア製の2Uで4ソケット、メモリが最大8TB搭載可能なPower8マシンもありました。 OpenPowerも盛り上がりを見せています。 ラックスペース社の実機。 普段はクラウド提供のため、実機がみられることはほぼないと思います。 PCIeをフレキシブルケーブル延長して横向きGPUを搭載するという凄い仕様 写真右のジャバラは何かと思ったら、引き出し構造になっており2.5インチのDiskスロットが横向きに並んでいる構造です。 おかげでスペース効率はかなりよさそうです。 3.IBM Q IBMは量子ゲート方式の量子コンピュータを世界で唯一サービス提供しています。 ハードだけでなくソフトまで提供しているのはIBMのみで、今回新たに早期アクセス版の発表もあり 日本からは日立金属、本田技術研究所、長瀬産業、慶應義塾大学が参加します。 50Qbitの試作機の展示がありました。 といってもそのほとんどは冷却装置になります。 量子コンピュータにおける量子もつれ状態(重ね合わせ)の状態を維持するには、絶対零度近くまで冷やす必要があるためです。 また、電磁波といったノイズも影響を受けるため、実際動かすときはさらにカバーが付きます。 4.最後に 全体的な印象としては、例年開催しているIBMの複数のイベントをThinkに集約するという初めての試みもあったため非常に盛況でした。 会場はとても広かったのですが、それでも参加者が4万人ということもあり、基調講演といった特別なセッションがおわると人の流れがすごかったです。 基本すべて英語で行われますが、だんだん耳も慣れてきますので、習うより慣れろとはまさにこのことでした。 来年はサンフランシスコで行われますので興味のある方は参加をおすすめします。 Think2019のために、予定はあけておいてね!との事。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年03月30日

【てくさぽBLOG】いまさら聞けない「25GbpsEther」

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐藤です。 ハイパーコンバージドや、次世代移動通信「5G」等、今後さらなるネットワークの高速化の需要が高まることが予想されます。 現在10Gbpsを採用されるケースが多いかと思いますが、2018年以降普及しそうなNVMeOF等を踏まえると10GbpsEtherですらボトルネックになることが想定されます。 今回は、10Gbpsの次の世代、今から覚えておいて損はない25GbpsEtherの紹介をしたいと思います。 RJ45の終焉 以前、10GbpsEtherは何を選べばよいの?で10GBase-Tについて触れました。 有線LANといえばRJ45アダプタというのは一般の人にも広くなじみがあるのではないでしょうか? 気になるのは後継にあたる25/40GBase-Tだとおもいます。 25/50GBase-Tでは?と思われますが、技術的に実現できないという事で、25/40GBase-Tで規格化されました。 25/40GBase-Tについては、2016年にIEEE 802.3bqで標準化されましたが実際の製品は2018年3月現在、残念ながら存在しません。 技術的な課題から製品の登場は2020年以降と言われています。 また、スイッチとなるとさらにそのあとにリリースとなりますので、現時点では普及するのが全く見えない規格といえます。 今現在、10Gbpsを超える規格については、RJ45は選択できません。 40/100Gbpsを振り返る ご存じの方は、40/100GbpsEtherが先にあるのに、なぜ今になって遅い25/50Gbpsなのだ?違和感を覚えるかもしれません。 そこで、40/100GbpsEtherを振り返ってみましょう。 40/100GbpsEtherは10GbpsEtherの技術をなるべく流用しようとのコンセプトの元作られています。 簡単に言うと、40GbpsEtherは内部的には10GbpsEtherが4つ束ねられています。 100GbpsEtherは大きく分けて2つの規格があるのですが、一つは10GbpsEtherを10本束ねる方式 もう一つは25Gbpsを4つ束ねる方式を標準化しました。 40/100GbpsEtherの問題点とは? さて、当初40/100GbpsEtherは規格化も製品化も比較的スムーズに進んだのですが、課題の低コスト化が解決できずに普及がなかなか進んでいません。 問題は何か?これらの規格は見た目のケーブルは1本ですが、内部的には4ないし10のケーブルが束ねられています。 実際、ネットワークスイッチやNICカード内の配線が過去の4倍もしくは10倍必要で、特にネットワークスイッチは内部配線が大変なことになります。 当然、10Gbpsを10本束ねるタイプの100GbpsEtherについてはかなりコストが高止まりすることになりました。 25/50GbpsEtherとは? そんな問題点を解決する策は1つしかありません。 技術的にはハードルが高いですが、1本あたりの転送速度を25Gbpsする必要があります。 100Gbpsであれば10Gbps×10ではなく、25Gbps×4の100Gbps方式をとるということです。 25GbpsEtherの期待値が高いことがこれでお分かりになると思います。 規格一覧表 文章で説明してきましたが、かなりややこしいと思いますので、一覧にまとめます。 イーサネット クロックレート レーン数 データレート 1GbE 1.25GHz 1 1Gbps 10GbE 10.31GHz 1 10Gbps 25GbE 25.78GHz 1 25Gbps 40GbE 10.31GHz 4 40Gbps 50GbE 25.78GHz 2 50Gbps 100GbE 10.31GHz 10 100Gbps 100GbE 25.78GHz 4 100Gbps ケーブル種類 ケーブルについては、メタル、光と豊富にありますので、戸惑いますが、自由に組み合わせることができます。 現在主流のSFP/QSFP系のみ紹介します。 選び方は、低コストは短距離、高コストは長距離となります。 1.DAC(DirectAttachCopper) ・最も安い ・最大長~5m 2.AOC(ActiveOpticalCable) ・DACに次いで安い ・最大長~100m 3.Optical Transceiver ・高コスト(Transceiver+Cableが必要) ・最大長 SR~100m LR~10km 画像はmellanoxから、直販価格は一つ当たり、25Gbps SFP28 LC-LC SR $155 画像はmellanoxから、LRが25Gbpsはまだ出てなかったので参考で100Gbpsになります。 直販価格は、一つ当たり100Gbps QSFP28 LC-LC LR4 $4315(!) まとめ 10GbpsEtherの時もそうでしたが、10Gbpsを超える速度の世界は種類が非常に多く悩ましいと思います。 現状を踏まえると ・RJ-45タイプは製品が出ていないので選択肢から外れる。 ・25Gbpsより上の速度はマルチレーンになり、同じ100Gbpsでも10Gbps×10と25Gbps×4では互換性がない。 ・RDMA/RoCE,NVMeOFといった技術を使うことにより、規格上の帯域だけでなく実効転送速度も期待できる。 となります。 現状RJ45のケーブルを敷設しているユーザーはケーブルの敷設のやり直しが必要になります。 単純にネットワークの高速化だけではコストが高すぎるとなるケースもあるかもしません。 25Gbpsですと帯域的にもファイバチャネルの置き換えも可能になりますので、SANネットワークの置き換えも併せてご提案というのが良いシナリオになるかと思います。 IBM Storage製品ではV7000/V50x0シリーズが25GbpsEtherに対応しておりますので、ご提案検討に含めていただけると幸いです。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年03月30日

【てくさぽBLOG】ご存知でしたか?VMware on IBM Cloudの優位性

皆さま、こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの岡田です。 前回ブログ”VMware on IBM Cloudでクラウド化の提案してみませんか”の第2弾として、前回ブログにも記載しましたVMware on IBM Cloudの優位性について詳細をご紹介します。 VMware on IBM Cloudの優位性を理解いただくことで他クラウドとの比較検討の際の参考にしていただければと思います。 日本を含む世界中40拠点以上のデータセンターで利用可能 各国にあるIBM CloudデータセンターでVMware on IBM Cloudを利用できるので利用要件に合わせて最適な場所を選択できます。日本も含まれているので、仮想サーバーを日本国内に置く必要がある要件の場合でも利用できます。 また、利用環境であるベアメタルサーバーは全世界で10年以上の提供実績がありますので、安心して利用できますね。 各データセンター間の高速回線を無償で利用可能 これはIBM Cloudそのものの特長ですが、なぜVMware on IBM Cloud環境でメリットがあるのでしょうか。 異なるデータセンター間での仮想サーバー同士の連携や遠隔地保管、災害対策構成などを取る場合、必ずデータセンター間で通信が発生します。このときデータセンター間の通信が無料のため通信料金を気にしないで利用できるので、コスト面で大きなメリットになりますね。 VMwareの管理者権限を保有可能 VMware on IBM Cloud でデプロイされた環境は、オンプレミス環境と同様にハードウェア、ソフトウェアの管理者権限がありますので、これまでの運用要件やスキルを活用しながらVMware環境をフルコントロールしたい場合に最適です。つまり場所がオンプレミスからクラウドに移っただけで他は何も変更を意識せずに運用することができるのですね。 逆に、クラウド移行を機に運用を任せたい場合はIBMのマネージドサービスを利用することも可能です。 要件や規模に応じた複数のデプロイメント方式を提供 VMware on IBM Cloudは以下の3種類の構成形態から選ぶことができます。それぞれのハードウェアスペックも1種類ということはなく、複数パターンから選択することができます。どの方式もVMwareライセンスの持ち込み(BYOL)または月額課金の購入が可能です。 ・VMware on IBM Cloud(アラカルト型) - IBM Cloudベア・メタル・サーバーの豊富なラインナップから選択できます。 - この方式は手動で構築が必要ですので、オンプレでのvSphere環境構築に近いですね。 ・VMware vCenter Server on IBM Cloud(VCS) - 共有ディスク構成でのNFS接続が提供されますが、vSANも選択できます。 - vCenter、vSphere Enterprise Plus、NSX Base、vSAN を利用可能。 ・VMware Cloud Foundation on IBM Cloud(VCF) - VMware認定vSAN Readyノード構成のハードウェアです。 - vCenter、vSphere Enterprise Plus、NSX、vSAN、SDDC Manager、Active Directory を利用可能。vSANを利用したハイパーコンバージドをイメージすると分かりやすいと思います。 また、ベアメタルサーバーには最新のGPU を追加可能なので、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)環境を構築することも可能です。 補完ソリューションが充実 災害対策、バックアップ、セキュリティ、ネットワークなどの要件を実現するために、以下のようなソリューションを追加することが可能です。VMware製品だけで要件を満たせない場合に追加できるので、実現できる構成の幅が広がりますね。 クラウドへの移行が容易 先月から日本のデータセンターでHybrid Cloud Extension(以下、HCX)が利用可能になりました。HCXは、既存のオンプレミスVMware環境のIPアドレスやルーティングなどネットワーク設定を変更することなく、IBM Cloudとの間で、簡単にマイグレーションを可能にします。 HCXには以下の特長がありますが、一番のメリットは既存オンプレミス側のvSphereバージョンが5.1以降でよいことです。クラウドに移行するためにオンプレミス側のvSphere環境をバージョンアップする必要があるとハードルが一気に高くなるのですが、バージョンアップせずに済めば移行にかかる工数も抑えることができますね。 最後に いかがでしたでしょうか。VMware on IBM Cloudの優位性について理解いただけたかと思います。 特に注目いただきたいのは、3つの提供方式の中から選択できるVCSとVCFです。これまでオンプレミスでvSphere環境を構築するには日単位の工数がかかっていましたが、VCSまたはVCFを選択すると、たった数時間で、VMwareソフトウェアが導入済みの状態で展開されますので、構築やテストの工数を大幅に削減できると思いますので、ご検討の際にはぜひVCS or VCFをお勧めします。 最後にまとめると、オンプレミスvSphere環境の移行先にIBM Cloudを選ぶ最大の理由は”そのまま移行”できることです。現在のスキルや運用手順を移行後も活用できるVMware on IBM Cloudを是非ご検討ください。 (参考情報) 【資料】ビジネスのためのクラウド IBMCloud のご紹介 *弊社パートナー様向けサイトのためユーザー登録/ログインが必要です。 ※この記事は2018年3月27日時点の情報を元に作成しています。 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2018年03月30日

速報!!「IBM Think 2018」に参加しました!

皆さんこんにちは。エヌアイシー・パートナーズ 取締役 企画本部長 平沢 です。 先週、IBM 初の試みとなる全ブランドが集結する世界最大規模のイベント"Think2018"がラスベガスにて開催されましたが、今回は、その中の PartnerWorld at Think の模様をいち早く、ご紹介していきます。 ラスベガス MGM Grand ホテルで盛大に開催! PartnerWorld at Think は 3月20日の Beacon Award 表彰式から 22日のクロージング・セッションまで 3日間に渡り、ラスベガスの MGM Grand ホテルで開催されました。 MGM Grand ホテルでの Beacon Award 表彰式風景 IBM Global Business Partners を率いる John Teltsch ゼネラルマネージャーが「今年は簡素化を一層推進し、パートナー様にとって付き合い易い IBM になる年とする」と宣言し、基調講演が始まりました。今回の際立ったトピックスは以下の2つでした。 ● パートナー様トランスフォーメーション事例 ● スペシャルゲスト Earvin "Magic" Johnson 氏の講演 パートナー様トランスフォーメーション事例 先ず「パートナー様トランスフォーメーション事例」です。Watson Build Challenge の欧州チャンピオンにして世界チャンピオンを勝ち取ったイタリアの blueit 社です。blueit 社は Watson Build Challenge への参加をきっかけにトランスフォーメーション(変革) を目指しました。"Precision Farming as a Service" (ドローンが撮影した畑の写真から病害虫の状況を Watson が特定し、必要な区画に適切な対策をガイドする AI) を開発し、栄冠を勝ち取りました。今後はワイン用のぶどうに固有の病気を予防 (Preventive Maintenance) する AI を開発するそうです。革新(Innovation) はプロジェクトではなくプロセス(終わりの無い継続する活動)であるという言葉が心に残りました。 スペシャルゲスト Earvin "Magic" Johnson 氏の講演 次は基調講演のスペシャルゲスト Earvin "Magic" Johnson 氏の講演です。NBA のレジェンドにして現在は実業家。15歳の時に Triple Double (得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックの内の 3つを 1試合の中で 2桁回数) を達成し "Magic" の称号を得ました。「僕は十分大きいからステージから降りて話すよ」と言って、聴衆の間を巡りながらの講演です。 "Magic" Johnson 氏のモットーは Winning Attitude (勝ちへのこだわり、勝てるように変わる)。自身の経験談として、「激しく早く動き回るゲームから球をじっくり持って攻めるバスケットボールに変わった時期があり、自分自身とチームがそれに合わせて Adjust することで常勝チームを維持した」、「今の IBM と一緒だね!」という言葉は説得力があります。 "Magic" Johnson 氏は 7人兄弟姉妹の大家族だったため、父親は ゼネラルモータースの給料に加えゴミ回収の仕事を家計の足しにしていたそうです。厳冬のミシガン州で父親の手伝いをした時、こぼれたゴミをきちんと片付けなかった "Magic" Johnson 氏に父親が言った「半分しかしない人間は半人前の人間にしかなれない」という言葉が "Magic" Johnson 氏を Perfectionist (完璧主義者)にしたそうです。そして年2回、自分自身を「1人の男性」、「夫」、「父親」、「ビジネスマン」として SWOT 分析しているそうです。 ビジネスとして "Magic" Johnson 氏とスターバックス ハワード・シュルツ CEO との共同事業の事例を話してくれました。マイノリティ(アフリカやヒスパニック系住民)が多く住む都心の密集地にはスターバックスが全くありませんでした。"Magic" Johnson 氏はハワード・シュルツ氏と 50/50 で出店する説得に成功。唯一の条件は、並べるスウィーツと店内音楽をマイノリティ向けに変えることでした。Overdeliver(期待以上のことを提供) することがとても重要で、この Adjustment(調整 = スウィーツと音楽の変更)で 105店舗を展開しているそうです。 締めくくりは聴衆との質疑応答です。「リーダーシップとは」という問いに「部下や同僚を引き上げること」、「あの時こうしていればと思うことは」という問いには「過去を振り返って後悔することはない。常に前向きに新しいことに向かう」と明快に答えていました。その後は質問者と一緒に並び、ビッグスマイルのツーショット写真です。 6フィート 9インチ(206センチメートル!)の身体は大迫力で普通のアメリカ人男性が子供に見えます。ビジネスのことは分からなかったのでメンターを付けて一から学んだという謙虚で賢い人格が会場を満たしていました。 日本から参加されたパートナー様向け"Japan Forum" 3日間に渡るセッションをまとめる形で日本から参加されたパートナー様向けに Japan Forum が開催されました。日本アイ・ビー・エム株式会社 ジョージ・カチャドリアン (取締役専務執行役員 チーフ・オペレーティング・オフィサー、ストラテジー・チャネルズ&オペレーションズ担当)から "We are OPEN to business." (ビジネスを第一義とし、全ての可能性を追求すると筆者は理解) を Japan GBP (Global Business Partner)のスローガンとしているというお話しで開会しました。 Watson Build Challenge 日本チャンピオンの情報技術開発株式会社 ソリューション・コンサルタント部 工藤弘隆様と宮崎温子様が「コグニティブビジネスへの取り組み - Create New Generation Zoo by Smart Zoo」をお話しされました。前半は宮崎様が英語でのプレゼンを短縮版で披露され、聴衆を魅了しました。素晴らしいの一言です!後半は情報技術開発株式会社様の Watson への取り組みを工藤様がご説明くださいました。 今回 Japan Forum の目玉は、アメリカのパートナー様 Stan Wysocki (スタン・ワイソッキ), VP, Mark III Systems 社による "Transformation (変革) or Transit(遷移)" という講演でした。Mark III Systems 社はテキサス州の創立 20数年のインフラビジネスを得意としてきた会社でしたが、オープンソースを活用したソリューションカンパニーに、最近はアウトカム(お客様の目的を達成し結果を出す)カンパニーに進化してきたそうです。重要なのは Stay Relevant - お客様のビジネスに関わり続けること。IBM のイベントではありましたが、「IBM が変われと言うから変わるものではない」、「自社はこれまでお客様に販売、提供してきたモノに自信と責任がある」とぶれない考えを披露してくれました。よって、新しいことを始めることは過去を捨てるのでなく、その上に積み上げる(Additive = move up stack)という考え方で進んでいるそうです。 重要なのは "Stay Relevant" ~ お客様のビジネスに関わり続ける  ~ こと 事例として、昨年 11月に不動産登記の女性経営者からシステムパフォーマンス不具合を相談する電話があったそうです。Stan Wysocki 氏から不具合は全く問題なく解決できること、しかしそんなことができる IT 会社は近隣に何社もあることを説明。それより、その女性が経営する会社が直面する課題について話して欲しいと水を向けると、競合会社の脅威があることを話してくれたそうです。詳しく話を聴くと彼女から「これこそ正に私が話したかったこと」。経営課題に取り組みつつ、システムの課題も解決しました。完全な信用を取り付けていたため、価格交渉は一切無かったそうです。 このような Outcome Conversation (お客様の目的を達成し結果を出すことを話し合う) が最重要との指摘です。Talk to clients what needs to be done! (お客様とは成されるべきコトを話そう!) です。会社を進化させる中でオープンソースに取り組む際、新しい技術に貪欲で尽きない興味を持つエンジニアを採用してきたそうです。そして、エンジニアが「もっと試してみたい」と言う時は言うに任せ、Empowerment しているそうです。実際に会社を進化させてきた経営者のお話しに聴衆全員が聞き入りました。 来年 2019年は 2月12日から15日にサンフランシスコで開催されます。 今直ぐ手帳に予定を書き込み、是非ご一緒に参りましょう。 この記事に関する、ご質問やご意見がございましたらコチラにてご連絡ください。

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