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2016年10月20日

【てくさぽBLOG】「GTC Japan 2016」に参加してみた

皆様こんにちは。てくさぽBLOG メンバーの佐野です。 今回のブログは、10/5(水)にヒルトンお台場で開催されたNVIDIA主催のカンファレンス「GTC Japan 2016」に参加してきましたので、簡単にフィードバックします。 1.GTC Japan 2016とは? GPUを製造している会社であるNVIDIAが主催のカンファレンスです。GTC=GPU Technology Conferenceの略称です。 GPUを用いた最先端のソリューションや、NVIDIAの最新製品、パートナー企業がブースに出展し各社のソリューションを展示していました。 イベント全般的な感想としては、「ディープラーニング」や「IoT」といった言葉がキーワードとなっていたように感じました。特にディープラーニングについてはセッションも多く、GPUとの相性も抜群なのでキラーソリューションの1つであると思います。   2.基調講演 基調講演は立ち見も出るほどの盛況で、私が数える限りでは約800~1000人程度の参加者がいました。 基調講演にはNVIDIAのCEOのジェン・スン・ファン氏が登壇し基本的には1人で説明をしていました。 内容をまとめると、大きく以下の2点をアピールしていました。 ・ディープラーニング ・自動運転   GPUによるディープラーニングは新しいコンピューティングモデルであるという説明をし、GPUディープラーニングの開発者が25倍に増加しているという事実を公表しました。 GPUディープラーニングはIoTデバイスなどからの情報を分析・学習し、推論した結果を各デバイスにフィードバックするというサイクルでできているということを説明しました。 これを実現している企業として、企業向けロボットの製造会社であるファナック様が登壇して実際の仕組みについてを説明していました。(流ちょうな英語で・・・) ロボットにAIを搭載し、学習することで作業効率性を上げるということを実現しているそうです。   続いてジェン・スン・ファン氏は、IoT機器に搭載することを目的とした小型のGPU搭載マシン「Jetson TX1」を紹介しました。この機器は乾電池と同じ大きさで、動作にはわずか10Wという低消費電力で1Tflopsもの処理能力をもつことが売りです。Jetsonを使えば、各IoT機器が自己学習し動作することが可能となります。   自動運転に関しては「Driveworks Alpha」という自動運転用のオペレーティングシステムを発表しています。 このOSを使うことで、位置情報や周囲の車両・レーンの情報などを把握し、運転をサポートする機能を利用できます。 最後に、今までのソフトウェアを書くだけでは解決できなかった問題を解決するために、ディープラーニングやAIを利用することが重要だということを述べて締めくくりました。   3.セッション 全部のセッションの内容は書ききれないので、IBMセッションの内容について書きます。 IBMセッションは、最近発表した「Power System S822LC」に関するセッションでした。 このモデルは、2つのPOWER8 CPUと4枚のGPU(NVIDIA Tesla P100)を搭載しており、CPUとGPU間はNVLinkで接続されているのが特徴です。 NVLinkを利用するメリットは、x86サーバーでGPUを接続するとPCIe x16での接続となるので帯域は16GB/sにとどまりますが、NVLinkでは2.5倍の40GB/sとなり、高帯域幅を利用することが可能となります。(GPU間もNVLinkでの接続) トポロジー概要は以下になります。 CPU-Memory間でも115GB/sという転送速度ですので、CPUからGPUにデータを渡すところが全体のパフォーマンスのボトルネックとなることが見て取れると思います。 電気通信大学の森下亨様から、この実機を使ったいくつかのシミュレーションを実施し、システムのパフォーマンスがどのようになるのかの検証結果を発表していました。 簡単にいうと、実施したシミュレーションは、大きな行列で表された物質の状態に、状態変化のための係数(行列)を掛け合わせるものです。この掛け算を繰り返すことで、物質の状態がどのように変わるのかをシミュレーションします。 行列の大きさはシミュレーション内容によって変わります。 1つ目のシミュレーションでは、行列の大きさが16GB以内に収まるようなシミュレーションです。 CPUのみで計算した時には約11.51Gflopsでしたが、GPUを利用すると107.10Gflopsと10倍近くのパフォーマンスが得られました。 この場合には、トポロジー図にも記載したように、GraphicsMemory内に全てが格納できてしまいますので、計算を開始してからCPUからGPUにデータが送られるのは1回だけです。 そのため、GPUのパフォーマンスがフルに発揮できたといえます。 2つ目のシミュレーションでは、20GB以上のメモリを利用するようなシミュレーションです。 この結果が興味深いもので、CPUのみで計算した時には約23.86Gflopsでしたが、GPUを利用すると14.84Gflopsと2/3程度に落ち込んでいます。 このシミュレーションでは行列が大きいことでCPUからGPUへの転送が500回発生しており、NVLinkの帯域がCPU-メモリ間の帯域よりも狭いことでパフォーマンスが落ちているようです。 3つ目のシミュレーションでは、物質の状態を表す行列を大きくした場合です。CPUからGPUへのデータ転送は2つ目のシミュレーション同様に500回発生していますが、パフォーマンス結果は異なっています。 CPUのみでは234.71Gflopsでしたが、GPUを利用する場合には483.90Gflopsとなっており、GPUを利用した方が2倍近くの性能を出しています。 これは、計算量が多くなったことでNVLinkの帯域幅が小さいことよりもGPUの処理能力が高いことによるメリットが大きくなったということを示しています。 森下様によると、このシミュレーションにはまだ改善の余地があるということですが、数値が結果として出ているので見ている方としてはイメージがしやすく、メリットもよく分かりました。x86サーバーとは帯域幅が違うので、これだけのパフォーマンスが出るのはPower Systemsだから、というのもありそうです。 このように、GPUが有効に活用できるような計算処理があると、GPUを搭載できるモデルは計算速度に圧倒的なメリットがでてきます。   4.その他 各社の展示では、GPUは関係なさそうな展示もありました。 例えば、こんなのや、 こんなの です。 前者は歩行機械の右に見える画面で歩くときの重心位置をポインティングしていました。(ピンクの丸です) 後者はパワードスーツのようなもので、GPUとの関連性がいまいち分からず・・・ 最後に、休憩時間になると展示ブースは常に人がいっぱいで、本当に盛況なイベントだったと感じました。   <関連情報> ・Power System S822LCのお披露目動画 https://www.youtube.com/watch?v=-8IioY4HplA ———- この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2016年09月29日

【てくさぽBLOG】データベース監査ソリューション”Guardium”新機能「Data Protection for Files」を使ってみた

皆さま、こんにちは。今回のてくさぽ BLOG は再び Guardium の登場です。 こちらのブログを愛読されている方には、「お腹いっぱいだよ」なんて言われてしまいそうですが、Guardium の魅力はまだまだあるのでご紹介させてください! Guardiumってなに?という方は、こちらをご覧ください♪ ▼データベース監査ソリューション”Guardium”最新バージョン「V10」使ってみた(前編) ▼データベース監査ソリューション”Guardium”最新バージョン「V10」使ってみた(後編) それでは、GuardiumV10 より新機能として追加された Data Protection for Files についてご紹介していきたいと思います。   ◆Data Protection for Files ってなに?   Guardium Data Protection for Files 機能とは。。『ファイルアクティビティーを監視する機能』のこと。 「あれあれ? Guardium ってデータベースを監視する製品じゃなかったっけ?」 なんて思ってくれた読者がいたら立派なてくサポーターです! そうなんです! これまでの Guardium はデータベースを監視する製品でしたが、GuardiumV10 よりデータベース監視機能に加えてファイル監視機能が加わりました! 「……んーでも、ファイル監視機能っていわれてもいまいちピンとこない!」という方もいると思うので、Data Protection for Files 機能についてすこーし説明させてください。   ◆Data Protection for Files ってどんなことができるの?   こちらの図をごらんください。 上図のように、いつ何時不正なユーザがログサーバやファイルサーバにアクセスするかわかりません。いまも不正なアクセスがあなたの大事なファイルに忍び寄っているかもしれません!! Guardium Data Protection for Files 機能を使用すれば、不正アクセスがあったことをリアルタイムで検知し、メール等で教えてくれます! アクセス制御だってできちゃうんです。 データベースは監視できているけど、ファイルまでは管理できていないよーという方も少なくないのでは? GuardiumV10 より、従来のデータベースアクティビティーを監視するだけでなく、ファイルアクティビティーまで監視できるようになりました。1台で2度おいしい優れもの♪という感じですかね。 「でも、操作方法はどうなの? 簡単じゃないと使いたくないなあー」という人も安心です。 そこは Guardium にお任せです。 見やすくわかりやすく使いやすいところも Guardium の魅力のひとつ。 では、使い方もみてみましょう!   ◆Data Protection for Filesを使ってみよう!   その1:ライセンス適用 Data Protection for Files機能を使うにはData Protection for Files用のライセンスが必要なので、ライセンスを適用していきます。 セットアップ→ツールとビュー→ライセンスに遷移し、Data Protection for Files用のライセンスキーを入力して、適用ボタンでライセンスを適用します。 その2:ポリシー設定 “その1”でData Protection for Files用ライセンスを適用したことで、”ファイルのためのポリシー・ビルダー”というData Protection for Files用の設定タブが表示されます。 (ライセンスを適用しないとこのタブはでてこないんです!) 保護→セキュリティー・ポリシー→ファイルのためのポリシー・ビルダーに遷移して、ポリシーを設定していきます。 ファイル監視用のポリシー設定画面なので、いままでのポリシー設定画面とは少し違いますね! 赤く囲った、+ボタンでポリシーを追加します。 任意のポリシー名を入力し、赤く囲った、+ボタンでルールを追加します。 ルール名や、監視対象のファイルサーバ又はログサーバを選択します。ポリシー設定にて、データソースを選択するのですね! データソースは、Guardiumエージェント(FS-TAP)を監視対象のサーバへ導入して設定すれば、自動的にこの画面に表示されます。 続いて、ルール・アクションの選択です。アクションは”アラートおよび監査”、”無視”、”監査のみ”、”違反として記録、および監査”の4パターンあるようです。 今回は、”監査のみ”を選択して、重要なファイルにアクセスが発生した時にレポートに表示されるか確認してみましょう。 ルール基準の定義にて、“ファイル・パス”にて、どのファイルに対してアクセスが発生した場合アクションを実行するかという対象を設定します。 今回は、SAMPLE配下のファイルを対象として設定してみましょう。 作成したポリシーを保存して、ポリシー設定は完成です!   その3:ポリシー・インストール 次は、ポリシーをインストールしてみましょう。 保護→セキュリティー・ポリシー→ポリシー・インストールでポリシーのインストール画面に遷移します。 現在インストールされているものに上書きするので、”インストールおよびオーバーライド”を選択します。 作成したポリシーがインストールされました! インストール方法は、これまでの Guardium とは変わりないですね! もちろんデータベース監視のポリシーとの同居もできます。 対象ファイルを開いて読み込んだから、READ。 データ持ち出しによるファイルコピーでもREADとなります。 残念ながらコピー先のPCやIPは表示されませんが、リモートデスクトップによる監視対象サーバへログインをした不正の場合は、リモートデスクトップを実行したPCのIPがClient IP欄に表示されます。 素朴な疑問、書き込んだら何とでるのでしょう。WRITEってでるのか?? はい、WRITE でしたね! Sample 配下の”サンプル2ファイル”に文字列を書き込んだら、”WRITE”ログが表示されました。 見やすくてわかりやすくてなんといってもリアルタイムに発見できるのはありがたいですね!   ということで、今回はここまで。 ファイル監視のイメージはつきましたでしょうか。 いままでの、データベース監視機能と同様にリアルタイムでファイルの動きが確認できることがわかりました。 Guardiumでデータ監視はばっちりできているけれど、ファイルの監視はこれからという方や、データもファイルも一括監視したいという方にはたいへんおすすめの機能ですね!   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2016年09月08日

【てくさぽBLOG】ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説!Vol.2

皆様こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐野です。 前回の記事の続編になります。   1.Nutanixのエディション 前回、ソフトウェアに3つのエディション(Starter、Pro、Ulitamate)があるということを書きました。 詳細を書いていなかったので、今回はエディションの違いから説明します。 Starter:最大12ノードまで、データは2重ミラーのみ、その他基本的な機能は利用可能なので、可用性要件が厳しくなければこのエディションです。 Pro:最もスタンダードなエディション。イレイジャー・コーディングやデータの3重ミラー、可用性ドメイン機能でStarterエディションに比べて可用性を高めることができます。またCloud Connect機能でAWSやAzureに仮想マシンをバックアップさせることもできます。 Ultimate:Proエディションの機能に加えて、VMフラッシュモードやマルチサイトDR機能が追加。これらの特殊な要件があった場合に選択します。 差がある機能を一覧にまとめると以下のようになります。 選択の基準としては、 ・基本的にはStarterを選択 ・可用性要件でRF3や可用性ドメイン機能(後述)を使う場合にProエディションを選択 ・災害対策要件がある場合やRDBサーバーとして利用し、パフォーマンスを担保する必要がある場合にはUltimate となります。 2.可用性ドメイン ハードウェアとして、2Uサイズに4ノードが入るモデルがありますが、筐体障害に対応するための機能が「可用性ドメイン」機能となります。 4ノード間で共有しているのは電源のみであり、電源は2重化されていますので、よっぽどのことがない限りは障害で全部が止まるなんてことは起こりませんが、不安に思うユーザー向けの機能です。 Nutanixはデータを2重に書き込むといっても、あくまで違うノードに書き込みをするというだけで、必ず筐体をまたがってデータを保管しているとは限りません。 「可用性ドメイン」機能を使うことで必ずドメインをまたいでデータの書き込みが行われるようになります。イメージ図は以下になります。 可用性ドメインを設定すると、赤色のデータが異なるドメイン上に書き込まれます。これにより、仮に可用性ドメインAの筐体が全障害でダウンしても他のノードにデータが残り、リカバリが可能になります。 3.Cloud Connect あまり他の製品では見かけない機能で「Cloud Connect」というものがあります。 この機能では、Nutanixから仮想マシンをAWSもしくはAzureに保管します。現時点ではクラウドへの一方通行でのバックアップという位置づけです。 他のクラウド環境への対応は未定ですが、今後増えていくかもしれません。 また、Nutanixは「EnterpriseのAWSになる」ことを目指していますので、バックアップだけでなくAWS上に仮想マシンを移動して稼働させるところまで実装する可能性があります。 クラウドとの連携については拡張が見込まれるので要注目です。   4.VMフラッシュモード ここからはUltimateの機能です。 VMフラッシュモードで、仮想マシンの稼働をSSDのみ(もしくはHDDのみ)に限定することができます。 通常では、ホットなデータはSSDに書き込まれ、コールドデータ(=アクセスの少ないデータ)はHDDに保管されます。 仮想マシンのデータを常にSSDに保管することで、常にSSDへのアクセスとしハイパフォーマンスが担保されるようになります。 IOパフォーマンスが求められるRDBやExchangeサーバー向きの機能といえるでしょう。 逆に、アーカイブシステムのようなIOパフォーマンスが求められないシステムにはHDDへ固定化することでSSDのリソースを他サーバーに使ってもらえます。 よい機能だと思いますが、個人的にはこの機能を使いこなすのは非常に難しいのではないかと思います。 5.マルチサイトDR、Metro Availability データセンター間でのデータ同期やフェールオーバーを行うのがこの機能です。 複数サイトにデータをミラーリング(バックアップ)するための機能がマルチサイトDR機能で、多対多でのレプリケーションを実施できます。 Metro Availabilityは、あるサイトが全滅した場合でもデータロスなく別のサイト上で稼働させるための機能です。 VMware SRMが機能イメージとしては一番近いかもしれません。 ただ、日本の環境で考えると、東京-大阪間ではMetro Availabilityを利用するための要件を満たすことができないので、実際に利用することはないかもしれません。 要件が緩和されることに期待です。 6.まとめ 今回はNutanixソフトウェアのエディションと一部機能について解説しました。 Cloud Connectのようにまだ発展途上の機能もあり、フルで活用するのは難しい印象はありますが、基本機能がしっかりしているので基本的な機能を使うだけでも実は十分利用する価値があります。 次回はパフォーマンスに関する話と今年発表された新バージョンv4.6、v4.7で追加された新機能について解説をしていく予定です。 お楽しみに!   <関連記事> 今注目の”ハイパー・コンバージド・インフラ”とは ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! vol3 10分でわかる『Nutanix製品』まとめ New! (※ MERITひろば へのログインが必要です。)   ---------- この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2016年08月22日

2016年上半期のセキュリティ・トレンドを振り返る

2016年度も半ばとなりました。これまでのセキュリティ・トレンドや事件を振り返りつつ、後半以降への備えについて考えていきたいと思います。 (さらに…)

2016年07月28日

【てくさぽBLOG】ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説!Vol.1

皆様こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐野です。   4月に書いたハイパーコンバージドの紹介記事が好評のようで、ありがたいです。 今回は皆様も興味があると思いますNutanixについて詳しく書きます。   1.Nutanixとは Nutanixは2009年に創業した会社で、GoogleやFacebookなどをスピンアウトした人々が設立しました。 Nutanixが目指す先は「インビジブルなインフラストラクチャー」です。 インビジブルとは「見えない=意識しなくてよい存在」という意味で、ユーザーや管理者があまり意識せずに簡単に使えるインフラを目指しています。 これを実現するために、Nutanixでは専用ストレージやSANスイッチを排除したシンプルな環境であるハイパー・コンバージド製品をアプライアンスとして提供しています。 ストレージやSANスイッチが存在しないことでストレージの管理スキルが不要となり、サーバー管理者が全てを管理できるようになるため、運用管理の点でお客様にメリットが生まれます。 従来のITインフラスタックとNutanixのインフラスタックの簡単な構成要素の比較図は以下になります。 これを見て頂くと、インフラを構成する要素が大幅に減っていることが分かると思います。   日本ではまだ知名度はそれほど高くありませんが、米国での知名度はかなり高く、NutanixはGartnerの2015年のMagic Quadrantではリーダーの位置づけになっています。 (参考サイト)http://www.slaitconsulting.com/nutanix-leader-2015-gartner-magic-quadrant-integrated-systems/   2.Nutanixの特徴 Nutanix製品の最大の特長は、GoogleやFacebook、Amazonといった超大規模な独自のシステムのメリット(スケールやメンテナンスの効率化)を一般企業でも利用できるように分散ファイルシステムを独自で開発し、アプライアンスとして提供していることです。 Nutanixアプライアンスは最低3ノードから利用開始でき、1ノード単位で増設することができるため、リソースの利用効率を高めながら拡張していくことが可能です。 拡張の際にも、事前にハイパーバイザーが導入済みで出荷されるため、機器を搭載しネットワークを接続して電源をつなぐだけよく、数十分で利用開始することができます。 もちろん、既存環境に追加・拡張を行う際にシステム停止は必要ありません。 SANやNASがないため、前述のインフラスタックを見ても分かる通り、シンプルな構成となっており障害発生時にも問題の解決がスムーズに行えます。 システム運用開始後には、単一の管理Web画面である”Prism”を見ることで、システムのリソース状況からシステムの状況まで確認することができます。 上に添付してある画像がPrismの画面ですが、画面を縦に4分割して見ると、左から、システム概要、パフォーマンス、システムヘルス、アラートの情報となっています。 このように、日常の運用管理においても単一のWeb画面を確認すればよいため、個別に確認をしなくてはいけない従来の基盤に比べて運用負荷を格段に減らすことができます。   3.Nutanixの信頼性 Nutanixのデータ冗長化は、現在ディスクの冗長化でよく使われるRAIDは利用しておらず、ノード間での2重ミラーリングもしくは3重ミラーリング(Proエディション以上必須)での冗長化となります。 RAIDはノード内でのデータ保護となるため、ノードがダウンすると全てのデータが失われてしまいますが、他のノードにデータをコピーしていればノードダウン時にも復旧ができるのがこのNutanixが採用している方式のメリットです。 また、ノード障害が発生した後、自動的にデータの冗長化を復旧させるセルフヒーリングが発動し、特に管理者が何かの操作を実施しなくても、データの冗長性は確保されます。 副次的な効果として、RAIDのようなパリティーの再計算をしなくて済むので、復旧時間も早く済むことが多いようです。 <イレージャー・コーディング> 2重ミラーリング・3重ミラーリングでは、単純に2倍・3倍のディスク容量が必要となりますが、Nutanixではイレージャー・コーディングもサポートしています。 イレージャー・コーディングはオブジェクトストレージでよく使われるデータ冗長・容量削減の方式です。具体的にはデータを分割し、その分割後のデータに対してパリティを付与することで冗長性を担保します。 簡単にイメージ図を以下に図示しておきます。   メリットは、容量が2重コピーに比べて削減できること、2重コピーと同様に1台のノードがダウンしてもデータが復旧できることが挙げられます。 デメリットは、データの分割・パリティ計算にCPU能力を使ってしまうことです。 処理能力への影響が大きいので、イレージャー・コーディングの利用はコールドデータ(=HDDのデータ)に対してのみの適用が推奨されています。   4.Nutanixの動作 ここからはNutanixでのデータを書き込みと読み込み動作について書きます。 Nutanixでは、IO要求は全てController VM(以下CVM)が処理を行います。CVMは、各ノードに1台だけが稼働し、そのノードに接続しているSSD・HDDに対してIOの処理を行います。 ・データの書き込み時の動作 データ書き込み時(2重ミラーリング)には、 1.ゲストOSからの書き込み要求が発生するとCVMが要求を受け取る 2.ノードのローカルに接続されているSSDに(容量に空きがあれば)データを書き込み 3.他のノード上のCVMへデータの書き込みを要求 4.2.と同様にローカルのSSDにデータを書き込み 5.ゲストOSに書き込み完了の通知 という流れを踏みます。この流れを見てもらえばわかる通り、データは必ず別のノードにミラーリングして書き込みがなされます。 図示すると以下のような流れとなります。 <参考:動画概要YouTube> https://www.youtube.com/watch?v=5moqCXMjw2w SSDからHDDへは定期的にデータが退避されるようになっていて、アクセス頻度の低いデータをSSDからHDDに移動します。このため、SSDは常に空きがある状態となるため、IOを非常に高速に実行することができます。 ・データ読み込み時の動作 データの読み込み時は、書き込みしたデータがノードのローカルに必ずあるはずですので、ローカルからの読み込みになります。そのため、ノード間の通信が発生せずパフォーマンス上のメリットがあります。 仮にvMotionなどを利用した後で書き込みをしたノード上に仮想マシンが動作していないような場合には、ネットワーク越しに不足しているデータを読み込みますので、ローカルにデータがないからエラーになるというようなことはありません。この場合、読み込んだデータはローカルに保管しますので、2度目以降の読み込み発生時にはノード間の通信は発生しません。   5.ラインナップ NutanixアプライアンスにはNXシリーズと500名以下の企業を対象としたXpressモデルの2種類があります。 現在Xpressモデルの詳細情報を入手できていないので、ここにスペックなどを書くことはできませんが、 ・最大4ノードまで ・ソフトウェアの機能に一部制限あり(専用のXpressエディション) ・ご購入頂ける企業は従業員数500名以下 といった制限がある代わりに、かなり安価にご購入頂けるモデルとなっています。 NXシリーズはXpressモデルのような制限はなく、ソフトウェアも3つのエディション(Starter、Pro、Ulitamate)から選択頂けます。 最新はBroadwell CPUを搭載したG5モデルとなり、以下の4つのモデルがあります。 機器のサイジング結果次第で、どのモデルを選択するのかは変わってきますが、ほとんどの場合がNX-1000シリーズもしくはNX-3000シリーズからスタートします。 お客様環境のNutanixクラスタ内で、複数のモデルを混在させることができますので、まずはNX-1000シリーズから導入し、追加するワークロードに合わせてNX-3000を増設していくなんてこともできます。 モデル設定の際には特に2U4ノードモデルを採用することでラックスペース削減に大きく効いてきますので、是非既存の環境とTCOを比べてみてください。   6.まとめ 本記事ではNutanixに関する概要と少し詳しい解説をお届けいたしました。もっと詳しい内容も書きたかったのですが、記事スペースの関係上、ここまでが限界です。 ご要望や反響が大きければ続編も書きますのでお楽しみに!     <関連記事> 今注目の”ハイパー・コンバージド・インフラ”とは ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! Vol.2 ハイパーコンバージド製品のNutanixを解説! Vol.3 10分でわかる『Nutanix製品』まとめ New! (※ MERITひろば へのログインが必要です。)   ---------- この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

2016年07月06日

【てくさぽBLOG】「HPE Discover 2016 Las Vegas」に参加してみた

皆さま、こんにちは。てくさぽBLOG 新メンバーの 岡田です。 今回は、米Hewlett Packard Enterprise(以下、HPE)が開催した「HPE Dicover 2016」の参加レポートを、筆者が出席したセッションを中心にお届けします。 HPE製品についてはこれまであまり縁がなく製品ラインナップにも詳しくなかったのですが、せっかく参加する機会をもらったので社内一のHPE通になろうという気持ちで参加してきました。 HPE Discover って? ・HPE社主催の、年間最大のカンファレンス&展示会 ・今回は6/7~6/9の3日間、ラスベガスにて開催(次回は11/29~12/1にロンドンで開催予定) ・顧客とパートナー合わせて1万人規模の参加者と1000以上のセッション ・その年の注目すべき事業方針、新製品、最新研究内容、大規模な提携などが発表される 基調講演 2日に分けて行われた基調講演のテーマは”デジタルトランスフォーメーション”。デジタルによる、オペレーションやビジネスモデルの変革ということのようです。 ・CEOのMeg Whitman氏が登壇し、以下の4つの注力領域それぞれでの提携発表や事例発表が語られました。 各社の業務変革にHPEのソリューションが貢献しているというメッセージでした。 - 「Transform(変革)」     Dropbox社との提携発表、Docker社との協業発表(以下に詳細を記載) - 「Protect(保護)」     Microsoft社の導入事例 - 「Empower(推進)」    ニューヨークゲノムセンター、ボーイング社の導入事例 - 「Enable(向上)」     The Home Depot(ホーム・デポ)の導入事例 ・Docker社との提携 - Docker認定のサーバー(ProLiant、Apollo、Cloudline)に24x365のサポートと「Docker Engine」をバンドル。将来的には、コンバージドシステムやコンポーザブルインフラにも対応予定。 - OneViewでDockerを統合管理できるようにする。 セッション 【ストレージセッション】 ・2つの戦略「The All-Flash Data Center」「The SW-Defined Data Center」について説明がありました。 1.「The All-Flash Data Center」 - 製品としては3PAR StoreServ。3PARの特徴は、エントリからエンタープライズまで全モデル共通の管理画面・機能、ブロックアクセスもファイルアクセスも可能。 - 今回、業界初の7.68TB / 15.36TB SSD が発表。 - SSDの大容量化により2年前のモデルと比べて”1/16の省スペース化””40%のGB単価の削減”が実現。 2.「The SW-Defined Data Center」 - 製品としてはStoreVirtual。StoreVirtualは8年以上のProliantでの実績がある。 - 仮想化やVDIはHyperconverged、DevOpsはContainor、非構造データはラックスケール等、用途によって選択するシステムは異なっていくがすべてをOneviewで透過的に一元的に管理できるようにしていく。 【サーバーセッション】 ・「ProLiant EC200a Managed Hybrid Server」が発表。 - ノートパソコンぐらいの大きさで、プレゼンテーターの方が片手で持てるぐらいの大きさでした。 - SMB、リモートオフィス、教育機関がターゲットとのこと。   【コンバージドデータセンターセッション】 ・OneView3.0の発表 - これまでのサーバー、ストレージ、ネットワーク、ハイパーコンバージドシステムなどに加えて、コンポーザブル・インフラSynergyなどを横断的に管理できるようになる。 ・OneView User Experience(UX) - 利用者向けセルフポータル機能で、「仮想マシンの自動販売機」を実現する新しい機能が提供。 - 現在、ハイパーコンバージドHC-380に搭載。以下のような画面。 ・Synergy ハイパーコンバージドとコンポーザブルインフラの違いは、ハイパーコンバージドが仮想化のみに対応しているのに対し、 コンポーザブルインフラは仮想化・ベアメタル・コンテナをリソース化。 そしてそれらのリソースをAPIを介してコードで操作できる(Infrastructure As Code) このSynergyは、まだ販売は開始されていないとのこと。   【ネットワークセッション】 ・FlexFabric5950という25Gbスイッチが発表。 ・IMC(Intelligent Management Center)というネットワーク管理ソフトがOneView 3.0と統合される。 ・セッション後半はドリームワークス社の事例発表でした。 この他にIoTやクラウドのセッションにも参加しましたが、参加したセッションはすべて日本語同時通訳が用意されたセッションでしたので英語が堪能ではない私でも十分に理解することができました。(Discover 2016すべてのセッションに日本語同時通訳があるわけではありません) 展示 展示会場は以下の写真のような感じで多くの人々で賑わっていました。   さまざまな展示ブースが用意されていましたが、その中で私の目を引いたのが、”The Machine”という次世代コンピュータアーキテクチャの展示でした。 ”The Machine”とはHPEが開発中の次世代コンピュータアーキテクチャで、これまでのCPU・メモリ・ディスク、という従来型のアーキテクチャから不揮発性の『ユニバーサルメモリ』を中心に置き、特定用途のプロセッサ群を光技術による広帯域のネットワークでつなぐというもので、2020年の製品化を目指しているとのことです。 この”The Machine”に関する展示がありました。   その他に、HPEが制作に協力しているスタートレック最新作「Star Trek Beyond」の撮影で実際に使用されたセットが展示されていました。 まとめ いかがでしょうか。参加するまではHPE製品で知っているのはProliantと3PARぐらいでしたが、2日間のセッションおよび展示に参加することでHPEの取扱い製品の幅広さを実感することができました。 また、Synergyや"The Machine"といった次世代のインフラには、オンプレの将来にもさまざまな可能性が感じられ、非常にワクワクさせられました。 エヌアイシー・パートナーズではIBM/Lenovo製品だけではなくHPE製品も取り扱っていますので、ご相談からお見積り依頼まで、遠慮無くお申し付けください。   この記事に関するご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp 商標帰属 ・すべての名称ならびに商標は、それぞれの企業の商標または登録商標です。

2016年06月16日

【てくさぽBLOG】Lenovo System xサーバーの新ラインナップ ~x3550 M5/x3650 M5サーバーの紹介~

皆様こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの瓜谷です。 今回はLenovo社製のSystem xサーバーについてご紹介します。 また、2016年4月19日付けにて発表されております x3550 M5/x3650 M5の新サーバーについて少し掘り下げてご紹介させていただきます。    1.Lenovoサーバーラインナップ   早速ですが、「Lenovo System x サーバーラインナップ」を見てください。 Lenovo System x 製品のサーバーは、大きく分けて下記の4つの種類に分けることが出来ます。 (背景色の同じ所は、同じ種類のサーバーとなります。) ①.タワー型・ラック型 ②.高密度型 ③.ブレード型 ④.ハイパー・コンバージド これだけではよくわかりませんね。 種類別にどんな特徴があるのか?どんな場合に使用されるのか?種類毎に少し見ていきましょう。 ①.タワー型・ラック型 サーバーといえば、タワー型・ラック型のサーバーをイメージされると思いますが ”その通りです!” 4つの種類で一番販売されている売れ筋の製品です。 そのため少し詳しく見ていきます。 タワー型・ラック型のサーバーをさらに細かく分類すると 1ソケット搭載可能なモデルは、エントリーモデル 2ソケット搭載可能なモデルは、ミッドレンジモデル 4ソケット以上搭載可能なモデルは、ハイエンドモデルとなります。 ネーミングで想像の通りですが、エントリーモデル→ミッドレンジモデル→ハイエンドモデルの順に、 性能がアップしていきます。 それでは、エントリーモデル・ミッドレンジモデル・ハイエンドモデル別にもう少し、掘り下げて比較してみましょう。 「タワー型・ラック型サーバーの各モデル比較」を参照してください。   << タワー型・ラック型サーバーの各モデル比較 >> エントリーモデル: SS SATA ディスク(※1)対応や冗長電源なしや標準保証1年のモデルがあります。 そのため、信頼性より低価格重視で、開発や検証環境等、短期間・低負荷のシステムの場合に使用されることが多いです。 ミッドレンジモデル: エントリー・ミッドレンジ・ハイエンドモデルの中で、 一番販売されているサーバーです。 ハイエンドモデルほど、高性能な処理は必要ないが、信頼性やメモリの拡張性が必要な場合にこのモデルを選定します。 ハイエンドモデル: CPUを4ソケット以上搭載したい場合や、大容量のメモリが必要な高性能なシステムの場合にこのモデルを選定します。 ※1.ディスクの種類 SS SATA:サーバー電源をオフにしないと交換できないディスク HS SATA:大容量/低価格/低負荷のディスク HS SAS:高性能/高信頼性のディスク SSD:高速読み込み性能に優れているドライブ ②.高密度型 NeXtScale System といわれるこのモデルは、6Uのエンクロージャーに最大12サーバー搭載可能なモデルです。 電源機構だけをエンクロージャー内のサーバーが共有します。 大量のx86サーバーを必要とするシステムに使用されることが多いです。 ③.ブレード型 Blade Center(当時IBMから販売)として登場したのは2002年で意外と歴史は浅いのですが、 タワー型・ラック型の次に一番販売されているサーバーです。 現在 Lenovo社製では、Flex System としてシリーズとして販売されております。 このモデルは、11Uのシャーシに最大14サーバー搭載可能なモデルです。 NeXtScale Systemとの最大の違いは、シャーシ内に、ネットワークスイッチとSANスイッチを搭載することが可能で、シャーシ内のサーバーは、このスイッチを共有することが出来ます。 ④.ハイパー・コンバージド サーバー・ストレージ・ネットワーク・仮想化ソフトや管理ツールがパッケージ化されたサーバーです。 ハイパー・コンバージドに関しては、 4月てくさぽBLOGに掲載した記事に詳しく記載してます。下記URLを参照してみてください。 今注目の”ハイパー・コンバージド・インフラ”とは     2.x3550 M5/x3650 M5 旧サーバーと新サーバーの違い   x3550 M5/x3650 M5の新サーバーが、2016年4月19日に発表されました。 「Lenovo System x サーバーラインナップ」の赤の点線枠の部分です。 これは、Intel社が2016年4月1日に発表した、コードネーム:「Broadwell-EP」といわれる「 Xeon Processor E5-2600 v4 」のCPUを搭載した新しいサーバーです。 旧x3550 M5/x3650 M5のサーバーは、コードネーム:「 Haswell- EP 」といわれる「 Xeon Processor E5-2600 v3 」のCPUを搭載してます。 そして一番気になるのが性能はどのくらいアップしたのか?ですよね。 Intel社が実施した「 Xeon Processor E5-2600 v3 」と「 Xeon Processor E5-2600 v4 」のCPUの ベンチマークによると平均1.27倍といわれてます。 それでは、「 Xeon Processor E5-2600 v3 」のCPUを搭載したサーバーと 「 Xeon Processor E5-2600 v4 」のCPUを搭載したサーバーに関して少し違いを見ていきましょう。 x3550 M5/x3650 M5の「 Xeon Processor E5-2600 v3 」と「 Xeon Processor E5-2600 v4 」のサーバーの違いを表にまとめてみました。 ①~⑥の番号順に詳しく見ていきましょう。 <<  新旧x3550 M5モデルとの違い  >> <<  新旧x3650 M5モデルとの違い  >> ①. 「 Xeon Processor E5-2600 v3 」と「 Xeon Processor E5-2600 v4 」の搭載しているサーバーのモデルでは、製品の型番が異なります。 x3550 M5/x3650 M5の既存のモデルは、それぞれ、上4桁が「5463」 /「5462」 。 そして、新モデルの上4桁は、それぞれ「8869」/「8871」となります。 新サーバーと旧サーバーの見分け方は、型番でできますね。 ②.CPUのコア数が、「4コア-18コア」→「6コア-22コア」になります。 新サーバーには、4コアのサーバー製品がなくなります。 ソフトウェアのコア数課金のため、どうしても4コアのサーバーが必要な場合には、旧モデルのx3550 M5/x3650 M5の製品にするかもしくは、x3250 M6の製品を選択してください。 ③.ミッドレンジモデルではあまり使用されない、SS SATA ディスクの搭載サポートがなくなります。 信頼性の低いSS SATA ディスクは、x3550 M5/x3650 M5では使用されることがあまりないので、SS SATA ディスク搭載サポートがなくなるのはあまり影響はありませんね。 ④.標準搭載されている電源ユニットに、電源ケーブルが付属されなくなります。 標準で同梱されている電源ケーブルが必ずしも使用されるわけではないので、 必要な電源ケーブルを選択式になりました。 電源ケーブル1本不足しているとサーバーの電源がONに出来ないことがあり、 サーバー構築等の遅延に繋がることがあります。たかが電源ケーブルと思わず、電源ケーブルは必ず確認してくださいね。 ⑤.利用率の低い前面のVGAポートを標準搭載ではなく、オプション化しました。 ⑥.新 x3550 M5のスライドレールは、従来ロングレールだったのに対して、標準同梱されるレールは、ショートレールになります。 ショートレールはケーブルマネジメントアームを追加することができないので、ケーブルマネジメントアームを使用したい場合には、同時にレールキットを購入します。   Lenovo System x サーバー製品に関して、少しでも理解が深まりましたでしょうか。 また、新旧サーバーですが、CPUだけでなく細かいところがいろいろと変更となっております。 そのため旧サーバーから新サーバーへの見積変更等は、細かいオプション等の選定が異なってきますのでご注意ください。   最後に、エヌアイシー・パートナーズでは、Lenovo社製 System x 製品の構成作成する 専任の部隊があり、弊社にて構成を作成しております。 構成を作成する部隊としては10年以上の歴史があり、2016年6月現在では全てのメンバーが3年以上の熟練したメンバーとなっております。 Lenovo社製 System x のお見積が必要な場合には、CPU/メモリ/HDD等を指定していただければ作成いたします。 Lenovo社製 System x 製品の見積及び発注に関しましては、エヌアイシー・パートナーズを是非ご利用ください。   この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp 商標帰属 すべての名称ならびに商標は、それぞれの企業の商標または登録商標です。

2016年06月14日

「IBM Watson Summit 2016」に参加してみた ~近未来が現実に、コグニティブソリューションの実態とは?~

皆さま、こんにちは。 企画部のWebサイト運営担当です。 今回は、5月25日、26日にグランドプリンスホテル新高輪で開催された「IBM Watson Summit 2016」の参加レポートをお届けします。 IBM主催の当イベントは全体で140以上ものセッションがありましたが、その中より、弊社の精鋭メンバー5名が出席したセッションを中心に、全般的な感想、体験内容を聞き、ブログ形式でまとめました。   総括 全体的に事例とVIDEOを多用したセッションが多く、わかりやすく面白かった。 充実した良いイベントである分、セッション数が多く、参加する際に興味分野に絞り込んでも時間が足りないのが残念だった。 コグニティブの世界が進展すると、この先には人の仕事が取って代わる時代になる怖さもあるが、今はその手前でイベントでは導入事例が多く、近未来が絵空事でないことをを実感! 事例は国内様々な業界の先進モデルがあり、同業のお客様(エンドユーザー)は刺激になったであろう。   ユーザー企業による国内先進事例をピックアップ! パネルディスカッションを含む基調公演では国内の事例が多く、その中でもメンバーの印象に残った事例をピックアップしました。 株式会社かんぽ生命保険 保険の支払査定担当は通常10年くらいの経験が必要。年間200万件の対応があり担当者は2,000人いるが、ひとりあたり1日に5件が平均対応数であり、処理しきれない。 Watsonに過去の事例や保険の支払い条件などを勉強させることで人間が対応する件数は半分くらいに減らせそう。また、経験の若い人でも査定ができる。 東京大学医科学研究所 遺伝子構造の解析からガン治療の研究をしている。 人間の遺伝子が30億個。スパコンを利用することで100個のがん遺伝子まで絞り込むことが可能だが、更に絞り込むのは処理時間的に現実的ではない状況。ガンなどの医療論文を勉強したWatsonを利用すると、100個から可能性の高い6つの遺伝子に絞り込んで治療薬も含めて提示してくれる。実験段階ではなく、皮膚科等で難易度の高いがんの検診にすでに実用化している。 富士重工業株式会社 スバル自動車の運転支援システム「アイサイト」は自動ブレーキなどの効果により、人身事故を60%減らせた。さらに残りの40%を減らすべく、IBMと協業してWatson IoTのオートモーティブを活用していく 。 ソフトバンク株式会社 自社内でWatsonを利用して、業務処理時間を半分に、生産性を倍にする「ソフトバンクブレイン」というプロジェクトを開始。 一部コールセンターで効果を実証できたので、社内のシステムに導入していく。 米国のジョージア工科大学の学生がWebの応答システムはWatsonとは気づかなかった。 みずほ銀行 ペッパー君がお客様の質問に対してデータを分析して、「当行のお客さま全体ではこのくらいの期間で繰り上げ返済してますよ」というアシストをしていた。 みずほ銀行の八重洲口で実際に動いている。   参加メンバーにインタビュー 「近未来を実現するコグニティブソリューションに何を感じたか?」 企画担当:皆様に聞きます。ユーザー事例を通して印象的だったことは何でしょうか?   コミュニケーションを通じて人を支援するコグニティブ Kさん:かんぽ生命や東京大学の話を聞いて、スキルワーカーの負担軽減に繋がるソリューションでより良いサービスに繋がるという期待感がありました。しかし、同時に人間の仕事(職)が減ることにもなります。ただ、その怖さよりも具体的に、例えばガン治療の現場で役立っているという実益による可能性を感じました。 企画担当:そうですね。Kさんはまだ若いですからこれからの変革を見ていく世代としても感じることはあったと思います。 Kさん:はい。近年、ビッグデータ、IoTというデータの扱いに関するテクノロジーに着目され、そして機械学習、人工知能という人間の頭脳の領域に関するテクノロジーが融合し、その延長上にコグニティブがあるかもしれません。その先はどうなるのか。コグニティブに関しては、人工知能による自動化というよりも、コミュニケーションを通じて人間を支援する存在、システムであると感じました。   Watson IoTの存在 Hさん:IoTという切り口では、スバル自動車の取り組みが、Watson本体だけでなく、 Watson IoTを活用していくという印象だった。 企画担当:どうしてですか? Hさん:自動車だけでなく、数十億にわたるデバイスやセンサーなどのモノが相互に接続し連携したIoTの世界では、その膨大なデータを意味のある、役に立つデータにするために即時に解析する仕組みが必要で、そこにコグニティブソリューションが期待されます。さらにクラウド側で処理する仕組みとしてWatson IoTにスバル自動車は期待しているのだと思いました。   今後のIT部門は大変? Jさん:セキュリティとコグニティブの相性は良いが、聞いていて辛い世界になるなと思った。 企画担当:辛い世界ですか? Jさん:IT部門は大変だという意味です。何故ならば、セキュリティは社内だけを考えていてはダメでクラウド、APIという社外との連携も考えて対応しなければならないのです。この対応は運用として一度はじめると止めることができないため、情報管理者の立場で考えると大変だなと思いました。 企画担当:どんな大変さがあるのでしょうか。 Jさん:あるセッションでIBMのスピーカーが、中外製薬様はセキュリティ事故が置きた場合の避難訓練(シミュレーション)を実施しており、IBMでも実施していきたいと話していました。 例えば、社員のPCがマルウェアに感染してしまい、アラートが上がった、そのとき、他の社員はどう対処すべきかなどは訓練しておかないと行動に移せないかもしれませんね。 Jさん:同様にデプロイ(開発)の現場も難しくなります。オンプレ、クラウド両方のデプロイシステムの整合性、そのプログラム(のバージョン管理等)を人が管理する限界を超えてきている。そこでIBMはアーバンコードという製品をIBMは買収した。 企画担当: IBM UrbanCode、アプリケーションのリリースを自動化するソフトウェアですね。今後はこういった製品も注目ですね。   人間と寄り添う 企画担当:最後の質問です。人間とWatsonのコミュニケーション、インターフェースについてどのように感じましたか? Jさん:Watsonは最近テレビCMも放映されていますね。渡辺謙さんとWatsonが会話しているCMをみました。 企画担当:私もあのCMは好きです。ただ、Watson側はモニターのようなデバイスじゃないですか、あれだとやはりコンピューターと会話しているんだなと思ってしまします。 Aさん:パネルディスカッションで話していた、ジョージア工科大学の学生全員がWeb上で会話している相手が人間だと思っていたという点がすごいですね。また、みずほ銀行の話では、住宅ローン窓口にWatsonと繋がったペッパー君がいて、お客さまの応対するというドラマ・CMのようなストーリーがある動画が印象的でした。 企画担当:人間とのインターフェースという点では今後、もっともっといろいろなアイデアが出てきそうですね。皆様ありがとうございました。   トレンドウォッチ:気になった用語を解説! Watson Summitでは様々な用語が出てきましたが、その中でもIBMのメッセージとつながる、気になった用語について解説します。 注)用語の解説内容はイベント内での意味を含め、エヌアイシー・パートナーズ(株)メンバーの独自の解釈です。 Open for Data 天気予報、X(旧称:Twitter)のデータをIBMが公開。開発のエコシステムに参加しているビジネス・パートナーが持っているDataも提供し合う。そして分析手法もエコシステムでオープンに扱われる。 Digitization(ディジティゼーション) 従来型のデータを集める、ITでビジネス強化する取り組み Digitalization(ディジタリゼーション) 分析も含めて意味のあるデータに価値を創造する取り組み。データに基づく知性を担うのがコグニティブソリューション。「ポール与那嶺氏はゼネラルセッションでこれらの用語を数回つかっていた(Sさん)」 Watson SummitにおけるWatsonという用語の位置づけ 今後のIBM製品のストラテジーにおいて、その製品の裏に追加していく機能として存在する”Watson”と解釈すると分かりやすかった。 Data Lake ただ集まっただけのデータ。「セッションではデータレイクとカタカナ表記だったこともありピンとこなかった」「EMCが使い始めた言葉だが最近は用語として広まってきている」 Dark Web いわゆる裏稼業においてハッキングした情報の取引をしている世界。「例えば、カルテの情報が1件60$で売買されており、クレジットカードの情報より高くなっている。犯罪であるが、市場の情報価値としてみると、今までと違う時代の象徴でもある。」   Watsonをビジネスに活用する立場として IBMはコグニティブによって、「このような世界になるよ」と提示しており、ベンダーはエコシステムの参加によるビジネスモデルを提唱しています。IBMのビジネスパートナーはどのようにトランスフォーメーションすれば良いかを考えるきっかけになるイベントだったと言えます。   編集後記 筆者はイベントに参加できなかったのですが、参加メンバーの話を聞いているとIT業界のイベント・セミナーの感想よりも、近未来のSF映画を見たあとの興奮が伝わってくるような話が多く、人の感情を揺さぶるソリューションとしてコグニティブには今後も目が離せないと感じました。 最後までお読みいただきありがとうございました。 Watsonに関連したページ 特集 IBM Watson 「コグニティブシステムによる意思決定、質問応答の仕組みを知る」   IBM Watson Summit 2016 のイベントサイトはこちら IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Watson、POWERおよびPower Systemsは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。

2016年06月02日

【てくさぽBLOG】IBM iモバイルソリューションを触ってみた -LANSA LongRange-

こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの原田です。 今回は、IBM i モバイルソリューションの第2弾として、LANSA LongRange (*) のソリューションについてご紹介します。 (*) 当ページにて製品紹介リーフレット、事例情報資料のダウンロード案内を掲載(追記:2018/02/06) ※第1弾は以下をご参照ください IBM iモバイルソリューションを触ってみた -Db2 Web Query for i- IBM iをご利用中のお客様にとって、業務効率の改善が期待できるお勧めのモバイルソリューションです。是非ご一読ください。 1. LongRangeとは 株式会社ランサ・ジャパンが提供する、IBM i 開発者のためのスマートデバイス向けネイティブ・アプリケーション開発ツールです。業務アプリを開発する際の、以下のような各種ハードルを取り除くことができるのが特徴です。 RPG/COBOL/CL のみを使用してネイティブアプリの作成が可能 Objective C や Java のスキルがなくても開発可能 一日もかからずに短時間で、モバイル・アプリケーションを作成し、実用も可能 一度作成すれば、Apple のモバイルデバイス、Android のモバイルデバイスのどちらにも配布が可能 GPS やカメラ、バーコード、電話等のモバイルデバイス特有の機能との連動も可能 2. LongRangeの仕組み LongRange はサーバーサイドの管理サービス(LongRange サーバー)とモバイルデバイス上でネイティブに動くアプリ(LongRange モバイル・アプリ)から成っています。ユーザーはアプリをモバイルデバイスにダウンロードしてサーバーに接続すれば、ビジネス・アプリケーションを使用する準備が完了します。 モバイルデバイスのユーザーがLongRange モバイル・アプリのフォームビューを起動する際、LongRange サーバーに要求を送り、アクションが関連するRPG/COBOL/CLプログラムを呼び出します。これらのプログラムは他のRPG 、COBOL 、Java 、CL、Webサービス、メッセージ待ち行列なども呼び出すことができます。プログラムは処理を行ない、画面を送るコマンドを発行します。 LongRangeサーバーはアプリに画面を送り、モバイルデバイス上で画面を表示します。LongRangeモバイル・アプリは、画面を表示したり、 ユーザーアクションに応答する際、ブラウザベースのモバイル・アプリよりも処理が速いのが特徴です。 3. LongRange導入のメリット ◆ユーザー部門にとっては、以下のようなメリットが期待できます。 ■業務効率の大幅改善が見込めます 事業所、座席に戻らなければできなかった業務が外出先で可能になります 人手・紙・電話・メールを使わなければできなかった業務がモバイル端末で可能になります ■同業界内で先行導入することが企業イメージのアップにつながります 今までパソコンの業務とは無縁だった業務シーン(倉庫・物流現場や工事現場等)においていち早くモバイルデバイスを活用することで企業イメージ、業界イメージの刷新につながります ■社員の業務モチベーションがアップします 業務効率が改善することで本来の業務により一層専念できます ◆システム部門にとっては、以下のようなメリットが期待できます。 ■既存のスキル・環境でのアプリ開発が可能です 新たなモバイル・アプリ用の開発スキルは不要なため、少ない投資で新規の開発に取り組めます ■ユーザーニーズに迅速に対応できます 同じRPG/COBOL/CL プログラムでiOS と Android の両方のデバイスに対応します ネイティブ・アプリのユーザー・インターフェースが色々な画面サイズ(タブレットやスマートフォン)に合うように自動的にサイズや表示方法を変更します   「IBM i モバイルソリューション~LANSA LongRange~事例情報およびご紹介資料」 無料ダウンロード   4. LongRangeモバイルソリューションデモを触ってみよう! それでは、前置きはここまでにしてLongRangeのモバイルソリューションデモを実施してみましょう。 準備するものは以下の2点です。 ・モバイル端末(iPad,iPhone,Android)及びApple StoreかGoogle PlayのID ・モバイル端末に導入するアプリケーション「LongRange」(無償) 今回はiPadを使ってデモを実施します。 まずは、iPadにLongRangeのアプリを導入します。 App Storeから「LongRange」と検索してみると、「LR」のロゴのアプリが見つかりました。早速インストールしてみます。 インストールがうまくいったので、アプリを起動してみます。 まず初めに、「新規プロファイル作成」をタップしてデモ用のプロファイルを作成します。以下の画面で、「プロファイル名」、「サーバー名」、「サーバーポート」、「スキーマ名」を以下画面の通り入力して、画面左上の「設定」をタップするとプロファイルが作成されます。 あっという間に「LongRangeデモ」のプロファイルが作成されました。右上の「完了」をタップして保存します。 これで iPadでLongRangeのデモを行う準備が整いました。iPadをほとんど使ったことがない私でも、ここまで比較的サクサクっと設定できましたよ! それでは引き続き、デモを開始してみましょう。 当デモには4つのメニューがあります。 1.『インシデント報告』は、保険会社における事故(インシデント) 報告です 2.『家具販売』は、家具販売店の店頭での販売業務アプリケーションです 3.『工程管理』は、工場での生産(作業) 実績報告です 4.『配送デモ』は運送会社での配送状況をリアルタイムに報告するアプリです 今回は1.と2.のデモを実施してみます。 「IBM i モバイルソリューション~LANSA LongRange~事例情報およびご紹介資料」 無料ダウンロード ~LongRangeデモ①「インシデント報告」~ LongRangeのアプリ画面に戻り、画面左のメニューから「インシデント報告」をタップします。   「インシデント報告」は事故情報などを報告するアプリです。 あなたは、某保険会社の契約者だとします。不幸にも自動車事故を起こしてしまいました。しかし幸いなことに死傷者はいませんでした。警察への連絡が済んだあと、自動車事故現場の報告を保険会社に行います。 下記画面から画面右上の「新規」をタップして報告書を作成してみましょう。 下記は新規報告書の作成画面です。事故の報告にあたり、様々な情報を入力する必要があります。 当画面では、ほとんどプルダウンで選択して簡単に入力できるようになっています。   まずは上から2つ目の「タイプ」を入力しましょう。「新規インシデント報告」をタップすると、プルダウンメニューが表示されます。今回は自動車事故なので、メニューから「自動車事故」を選択してタップします。   次に、上から3つ目の「ステータス」を入力します。「ステータス」項目は、現在の案件の状況を示しています。今回あなたは初めて事故報告を提出するので、メニューから「オープン。初回の審査待ち」を選択します。 ふむふむ。だんだん操作にも慣れてきました。 「メモ」項目欄には、現場の状況を詳細に残すことができます。 「メモ」右横の数字「0」をタップすると詳細情報を入力する画面が表示されます。 タイトルを「物損事故」、テキスト本文には「衝突事故。死傷なし。」と入力して、「~にメモを追加するにはここにタッチ」をタップして入力内容を保存します。   事故報告には、現場の写真が不可欠です。当アプリでは、モバイル端末のカメラ機能と連動して簡単に写真を添付することができます。 「写真」右横の数字「0」をタップしてみます。下記のような選択画面が表示されます。写真は縦と横が選択できます。ここでは横(LANDSCAPE)を選択します。   写真は新規に撮影することもできますし、あらかじめ撮った写真から選択することもできます。 「新規撮影」をタップするとカメラが起動します。撮影してみましょう。 写真を添付するには、最下部の「~に写真を添付するにはここにタッチ」をタップします。写真項目の数字が「1」に変わります。 この「1」をタップすると添付した写真が呼び出せます。(注意:このデモでは写真を保存できない仕様となっています。) 次に、あなたの姓、名を入力し、電話番号を入力します。電話番号と連携して、電話機能を利用できます。報告書を受け取った保険会社担当者があなたに連絡を取るために、電話番号の右横のボタンをクリックすると、「電話をかける」「メッセージを送る」がポップアップします。モバイル端末上で別途アプリを起動することなく、報告書に記載された内容から、電話をかけたり、メッセージを送ることができるのはとても便利ですね。 これで、最後に画面左下の「保存」をタップして保存すれば事故報告は完了です。 いかがでしたか? IBM i + LongRange なら、カメラ機能や電話機能、GPS機能を活用したこのようなアプリケーションが、RPGやCOBOLで簡単に作成することができます。登録したデータは、リアルタイムで共有できますので、迅速な事故対応プロセスが可能になることをご理解いただけたのではないでしょうか。 「IBM i モバイルソリューション~LANSA LongRange~事例情報およびご紹介資料」 無料ダウンロード ~LongRangeデモ②「家具販売」~ 続きまして、家具販売のデモを実施してみましょう。 LongRangeのホーム画面から、画面左メニューの「家具販売」をタップします。 あなたは某家具販売店の仙台支店の社員です。お客様が展示品のダイニングテーブルを見て、購入したい、とおっしゃっています。まずは当製品の在庫状況を確認してみましょう。下記画面にて「在庫確認」をタップします。 在庫確認をタップすると、商品のバーコードを読み取るために自動的にカメラ機能が起動します。当デモアプリでは、QRコードや12桁のバーコードであれば何でもスキャンします。お手元にあるバーコードを、ダイニングテーブルの商品コード という想定でスキャンしてみます。(このデモでは、スキャン結果としてダイニングテーブルが必ず表示されるようになっています。) ご覧ください!各店舗ごとのダイニングテーブルの在庫状況が即座に表示されました。 基幹システムの在庫データベースに直接アクセスしているので、全国の店舗のリアルタイム在庫情報をもとに、お客様に対応することができますね。 仙台店には在庫がないため、最寄の東京本店の在庫から引き当てします。「東京本店」の在庫の数量「10」をタップします。 商品の写真が表示されることにより、お客様がご所望の商品と同一かどうかを確認できます。 東京本店の在庫から、商品1卓を引き当ててよいか確認メッセージが表示されますので、「次へ」をタップします。 次に配送業者を指定します。ここでは「関東物流」を選択します。 商品の配送可能日を確認し、「確定」をタップすると、あっという間に発注処理が完了しました。 IBM i の基幹システムのアプリですので、在庫紹介-引き当て-配送指示-配送可能日回答 までの一連のプロセスを、お客様を接客しながらリアルタイムに進めることができますので、販売機会の増大、販売員の生産性向上、そしてお客様満足度に繋がりますね。 「IBM i モバイルソリューション~LANSA LongRange~事例情報およびご紹介資料」 無料ダウンロード   5. 最後に 今回デモを実施したLongRangeですが、iPadの操作にさえあまり慣れていない私でも直観的に操作を進めることができました。また、アプリ内からカメラやバーコード、電話機能を呼び出して利用することができる点についても、とても便利です。 このようなモバイルアプリやモバイルソリューションは、アイデア次第で日頃の業務にいくらでも適用できる場面があるのでは、と思います。今回のデモ事例をヒントに、”IBM i + モバイルソリューション”のご提案にお役立ていただければ幸いです。   お問合せ先 この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp 商標帰属 すべての名称ならびに商標は、それぞれの企業の商標または登録商標です。 「IBM i モバイルソリューション~LANSA LongRange~事例情報およびご紹介資料」 無料ダウンロード 参考情報 MERITひろばサイト(※): Power System "IBM i "ご提案の際に利用できるソリューション製品の情報が盛りだくさん! メーカー 製品名 機能概要 LANSA LongRange IBM i 開発者のための iPhone, iPad, Android などのスマートデバイス向けネイティブ・アプリケーション開発ツール。 PC や IT の恩恵を受けられていない紙、電話、アナログ・ベースの現場業務を効率化し業務改革を実現。 aXes IBM i  5250 アプリをソースコードを変更せず自動的にブラウザベースに変換、既存アプリをそのまま Web で利用可能に。 ユーザー・インターフェースのデザインやレイアウトをカスタマイズするツールも提供。 Visual LANSA Windows ベースの統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment) を提供。 シングル・スキルで Web,Windows,Mobile,IBM i 等のマルチ・プラットフォーム対応のアプリ開発・保守を実現。 Bitis Quick-EDD 「想定外」に備える、進化を続ける IBM i の HA(ハイ・アベイラビリティ)ソリューション。 確かな品質とサポートで運用負荷を最低限に抑えます。 Justi 内部統制で必要な PDCA(Plan・Do・Check・Action)の4つのステップを網羅した IBM i の セキュリティー・ツール。 GUI クライアント画面も提供されており、セキュリティー運用管理の負荷を軽減します。 ※ビジネスパートナー様専用サイト(MERITひろば)のコンテンツです。ログイン or  新規会員登録が必要となります。

2016年05月19日

【てくさぽBLOG】ITmedia主催セミナー「先進企業に学ぶ、個客に寄り添うデジタル化の第一歩はデータ活用基盤の再構築から」に参加してみた

皆様こんにちは。てくさぽBLOG メンバーの 佐野です。   5月13日に行われたアイティメディア主催の「先進企業に学ぶ、個客に寄り添うデジタル化の第一歩はデータ活用基盤の再構築から」セミナーに参加してきました。 このセミナーに参加した理由は、IBM様から誘われたからというのもありますが、FlashSystemの事例が聞けるということで、今後の活動の参考になることを期待しての参加です。 事例は3つ発表されていましたが、それぞれ選定理由やFlashSystemに至る経緯が異なるので、とても為になりました。全部はお伝えし切れませんが概要部分でもご理解いただけると幸いです。   1.Agenda 当日のアジェンダは以下の通りでした。 開会挨拶:アイティメディア株式会社 エグゼクティブプロデューサー 浅井 英二様 基調講演:日本企業が目指すべきはデジタル化による「ぴったり」戦略 株式会社ローランド・ベルガ― 代表取締役社長 長嶋 聡様 セッション1:ストレージの常識はもう通用しない IBMフラッシュ・テクノロジーが拓く次世代ストレージ 日本アイ・ビー・エム株式会社 ストレージ・セールス事業部長 理事 波多野 敦様 セッション2:資生堂の”全員マーケター”ワークスタイル変革を実現する新分析システム ~迅速な経営判断を支える最新ITテクノロジー~ 資生堂ジャパン株式会社 ビジネスシステム部 担当 石田 尚嗣様 セッション3:インテック・グループを支える基幹システムへのフラッシュ活用事例のご紹介 ~システムインテグレーターとしてIBM FlashSystemを選択した理由~ 株式会社インテック 情報システム部 金平 剛様 セッション4:フラッシュが当たり前になった今こそ、Yahoo! JAPANが重視した「安心感」 ~データベース&オールフラッシュの組み合わせは必須アイテムに~ ヤフー株式会社 データ&サイエンスソリューション統括本部 データプラットフォーム本部 開発3部 DBMS技術 山本 秀平様 セッション5:IT戦略策定で注目したいストレージ・イノベーション 日本アイ・ビー・エム株式会社 IBMシステムズ ハードウェア事業本部 ストレージ・テクニカルセールス システムズ・エバンジェリスト 佐野 正和様 アジェンダを見ても分かる通り、基調講演以外の5つのセッションのうち2つがIBMのセッション、残り3つが事例セッションとなります。 ネタバレしてしまいますと、このセミナー自体がIBMの新製品である「FlashSystem A9000/A9000R」のお披露目会という位置づけでもあるためにこのような内容となっているようです。 なお、A9000はこんな外観になっていて、8Uでワンセットという製品です。   2.個別セッション ここからは個別セッションに関するフィードバックとなります。 <基調講演:日本企業が目指すべきはデジタル化による「ぴったり」戦略> ・これまでに機械化・電動化・自動化により3度の産業革命が起きた。インダストリー4.0はICTをフル活用した新たな産業革命 ・インダストリー4.0では「繋がる」「代替する」「創造する」の3つのコンセプトで様々な取り組みが進められている ・インダストリー4.0の本質は「異次元の見える化」とそれを起点とした「圧倒的な機動力」の発揮。見える化することで事象を把握し、きめ細やかに素早く対応する ・4.0時代の日本の強みは「カイゼン」「慮る日本文化」「革新的な要素技術」⇒組織能力。弱点は「自前主義」「長期視点の不足」⇒リソースの逼迫 ・欧州や米国の後追いではなく、デジタル武装した現場主義の差別化を日本型インダストリー4.0として追求すべき ・日本型4.0の特徴はお客様起点で製販一体でぴったりの付加価値を創出すること。IoTは組織能力を下支えする道具である と、インダストリー4.0に関する基調講演でした。   <セッション1:ストレージの常識はもう通用しない IBMフラッシュ・テクノロジーが拓く次世代ストレージ> ・今、第4次産業革命というべきデジタル変革時代を迎えている ・新たな個客体験を提供するビジネス・モデル。例えばUberやairbnb、Facebookといった会社を指す。すぐに試しうまくいけばすぐに拡大する、このスピード感が新たなビジネス創造のやり方 ・かつては企業ITの方がコンシューマーITよりも進んでいたが、現在はコンシューマーITの方が企業ITよりもはるかに進んでおり、そのギャップは益々拡大している ・「コグニティブシステム」と「データレーク」が新たなビジネス創造に求められるIT基盤として必要となる ・IBMが注力するストレージ技術は「SDS」「仮想化」「フラッシュ」であり、ストレージ・ソフトウェアとフラッシュ・テクノロジーへそれぞれ1,200億円を投資する ・IDCのレポートを元にIBMが集計したデータによると、国内オールフラッシュストレージ市場でIBM FlashSystemが3年連続シェアトップ ・当初はアプリケーションの高速化の観点で導入が進んだが、最近では基幹ストレージとして採用されてきている ・IBM FlashSystemのポートフォリオとして、超高速&低遅延ストレージとしてのFlashSystem 900、FlashSystem×Spectrum Virtualize=V9000、FlashSystem×Spectrum Accelerate=A9000/A9000R ・150を超える特許技術で設計されたFlashSystem A9000/A9000Rによりポートフォリオを拡充し、ストレージ市場をリードしていく このセッション内でA9000のお披露目が行われました。 フラッシュでストレージ市場をリードしていく、という言葉からもIBMが今後も力を入れていくということが読み取れますね。   <セッション2:資生堂の”全員マーケター”ワークスタイル変革を実現する新分析システム ~迅速な経営判断を支える最新ITテクノロジー~> ・資生堂のFlashSystem導入事例セッション ・資生堂は”全員マーケター”への取り組みを行っている ・会員情報や取引データなどさまざまなデータを取り扱っているが、応答時間が遅いという課題があった ・次世代の情報基盤として「マーケティング分析強化」「営業サポート」「蓄積データ拡充」「分析性能の向上」を求めた。特に分析性能の向上は既存の約10倍程度の高速化を要件とした ・選定のポイントは従来比10倍の応答・性能と追加開発への柔軟な対応ができること ・Power+FlashSystemを最終的には採用したが、Exadata(注:セッション中ではA社製品と伏せられていました)と比べると拡張の柔軟性のポイントが高かった ・導入した結果として情報の検索にかかる時間を12万時間ほど削減できた。これがコスト削減の効果となる 資生堂様はPowerSystemsとFlashSystemの組み合わせで導入をされたそうです。Powerのコアを1コア単位でアクティベーションできるので、その点がExadataよりも圧倒的に良い点と評価したそうです。 12万時間を削減ということなので、人件費に換算したら少なく見積もっても億円単位のコストが削減できたというよい事例だと思います。   <セッション3:インテック・グループを支える基幹システムへのフラッシュ活用事例のご紹介 ~システムインテグレーターとしてIBM FlashSystemを選択した理由~> ・社内情報システムのFlash導入事例 ・BCPへの対応と現行システムの性能が課題⇒サーバー・ストレージ・ネットワークを抜本的に見直し ・IBM FlashSystemを採用した理由「実機評価(PoC)」「保守拠点」「現実的な提案」 ・FlashSystemを導入した効果 -平均レスポンスが88%短縮 ⇒アクセス回数の増加 -夜間バッチの処理時間短縮に伴いサービス時間を拡大 ⇒終電間際の交通費・勤務入力に関するクレーム激減 -要件への対応速度が向上 ⇒チューニング・負荷テスト工数減 -コスト削減 ⇒ラックスペース削減によるハウジング費用低減 ・ただし、FlashSystemを導入しても早くならないシステムもある。 ⇒クライアント側の処理がボトルネックとなっているような場合 FlashSystemを導入するすることで多種多様なシステム全てが高速化するわけではない、というのがこのセッションのポイントです。 ボトルネック箇所(例えばJavaScriptの処理が原因で遅い場合など)によってはFlashSystem導入による効果が見込めないので、導入前にはPoCをして応答時間が改善することを確認しましょう。   <セッション4:フラッシュが当たり前になった今こそ、Yahoo! JAPANが重視した「安心感」 ~データベース&オールフラッシュの組み合わせは必須アイテムに~> ・Yahoo! JAPANの全社DB基盤チームによる事例 ・OracleとMySQLが推奨RDBMS。Oracleは処理量が多いサービスや会計・勘定系のサービスで利用 ・2005年~2010年の第一世代基盤:シングルインスタンスでOracleを稼働。VCS(クラスタソフト)でデータを冗長化。ストレージはFC接続で商用ストレージ利用 ⇒安定して稼働していたが、高価。 ・2010年~の第二世代基盤:Oracle RACによる冗長化構成。商用ストレージを利用し、iSCSIで接続。データの冗長化はOracleCRSで対応 ⇒安価で安定していたが、IOがボトルネックとなり広告入稿システムが遅延。競合他社よりもかなり遅い状況に。 ・2014年~の第三世代基盤:OracleRAC+OracleCRSによる冗長化。ストレージはx86サーバーにPCIe-SSDカードを2枚搭載してInfinibandで接続 ⇒かなり高速な基盤となったがオンラインでディスクの切り出しができない、Infiniband特有の不具合が発生。特にInfiniband関係の不具合は定期的にOSをリブートして対処する必要がある。また、PCIe-SSDは1枚で大容量を確保できないため、多くの台数を並べて確保する必要があり、障害点が増加・管理が煩雑という課題がある。 ・IO性能がボトルネックであったが、第三世代で解決。しかしメンテナンス面・障害ポイントの増加による課題・リスクが増加 ・次世代の基盤は以下3点(+1点)をポイントに選定 -容量が多い -早い -オンラインメンテナンス可能 -(安い) ・PCIe-SSD+NVMe+SDS構成も対抗候補としてあったが、最終的にはパフォーマンスは同等レベルであり、運用・耐障害性の観点でFlashSystemに軍配 Yahoo! JAPAN様は、独自でいろいろなことを考え・試していて先進的なことを実施しているという印象を受けました。 PoCでの検証もされており、FlashSystemとPCIe-SSD+NVMeがほとんど変わらないパフォーマンスということも興味深いですね。   <セッション5:IT戦略策定で注目したいストレージ・イノベーション> ・いつものIBMストレージのエバンジェリスト佐野さん(私ではありませんよ) ・SSDはHDDをエミュレーションしているので、フラッシュ・メモリーとしての能力を発揮できていない。特に耐障害性の面や集積度でFlashSystemには遠く及ばない ・FlashSystemでは汎用CPUではなくFPGAを利用して並列度を上げていることも高速化のポイント ・IBMのリアルタイム圧縮ではデータベースに対して特に効果が大きい(最大80%削減)。高価なFlashSystemの容量単価を下げるためにもリアルタイム圧縮と組み合わせることは有効なアプローチとなる ・IBM内のFlashSystemアセスメントデータをかき集めて集計した結果、IO待ち時間が大幅に短縮でき(平均87%短縮)、Flash化することにより処理時間が平均50%短縮できることが分かった ・DBサーバーのコア数も平均22コア搭載のうち9~10コア削減できる計算 ⇒RDBMSのライセンス削減を原資にFlashSystemを導入するストーリーが成り立つ ・FlashSystem A9000/A9000Rは重複排除・圧縮後の容量を実効容量として記載 ・A9000は8Uでワンセットのモデル。A9000Rはラック一本で提供されるモデル ・Spectrum Accelerate(XIVのソフトウェア版)の機能が組み込まれているため、QoSやマルチテナント機能、VMwareとの連携機能が含まれている。 ・A9000/A9000Rは仮想サーバー環境やクラウド業者、VDI環境に適したモデルと言える IBM佐野さんは独特の喋り口で話をされるので非常に面白いセッションです。 まだ聞いたことがない方は是非一度聞いてみて下さい。   3.まとめ 本セミナーはFlashSystemとその事例のセッションで構成されたセミナーでした。 A9000/A9000Rという新しい製品が発表され、IBMのFlashSystemも広がり始めています。 コスト削減とセットで提案することで、導入費用と削減コストがとんとんであっても、早い基盤であるという事実は残ります。 ストレージを提案する際にはFlashストレージを第一に考えて提案してみてはいかがでしょうか。きっとみんながハッピーになれると思います。 その際にNI+C Pとしてお手伝いできることがあればご支援いたしますので遠慮なくお申し付け下さい。     この記事に関する、ご質問は下記までご連絡ください。 エヌアイシー・パートナーズ株式会社 技術支援本部 E-Mail:nicp_support@NIandC.co.jp

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