皆さま、こんにちは。てくさぽBLOGメンバーの岡田です。
仮想インフラの提案が必要になった際に、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下 HCI)を検討することも多くなってきたのではないでしょうか。Nutanixを始め各社からHCIが提供されていますが、Cisco社もCisco UCS(以下 UCS)をベースにしたHCIを提供しています。過去2回のCisco UCSブログに続き3回目の今回は、今年4月に発表になった、Cisco社のHCIであるHypertFlexとその最新アップデートの 2.0について紹介させていただきます。
(1回目)Cisco UCSってなんだ?
(2回目)Cisco UCS Emulatorを触ってみよう!
1.そもそもHyperFlexとは
2.0を説明する前に、HyperFlexそのものについて説明します。
HyperFlex は2016年3月に発表されたUCSベースのHCI製品です。
⇒ ここではHCIそのものの説明は割愛しますので、ご興味ありましたらこちらもご覧ください。(今注目の”ハイパー・コンバージド・インフラ”とは)
・ハードウェアの特長
ラック型の「HX220c」「HX240c」、Blade型の「B200 M4」があります。(ちなみにコンピュートノード用途限定ですがBlade型のHCIがあるのはHyperFlexだけです)。最初のリリースではディスク構成としてはSSD+HDDのハイブリッド構成しか選択できないことや、既にUCSサーバーとファブリックインターコネクト(以下、FIと省略)を持っていても、HyperFlexは専用のFIが必要なことが課題でした。
・対応ハイパーバイザー
現時点vSphereのみで、管理はvSphere Web Clientから行います。
以下のようにvCenterからHyperFlexのクラスタを管理することができます。
・統合管理
コンピューティング、ストレージに加え、ネットワークの管理も統合できます。これはUCSが持つ特長ですが、他のHCIと比べてHyperFlexの特徴でもあります。
・共有ストレージ
HCIはサーバーのローカルディスクをソフトウェアを利用して共有ストレージ化してハイパーバイザーに提供しています。これをSoftware Defined Storage(以下、SDSと省略)と言いますが、HyperFlexのSDS部分は仮想アプライアンス型でSpringPath社の製品をOEM利用しています。
このような特長を持つHyperFlexが進化したものがHyperFlex2.0になります。
2.HyperFlex 2.0とは
このようなHyperFlexですが、今年4月に2.0が発表になりました。
2.0の新しいトピックは以下になります。
・オールフラッシュノードの追加
これまではハイブリッドモデルのみでしたが、オールフラッシュモデルが追加されました。これによりハイブリッドモデルと比べて大幅なパフォーマンス向上が可能となりますので、高い性能要件が求められる案件でもHyperFlexを検討できますね。NutanixやVxRailでは既にオールフラッシュモデルが選択できましたので、HyperFlexも追いついたということですね。
ちなみに、気になる性能ですが、HyperFlexのハイブリッドモデルと比べて最大で6倍のIOPS、5分の1の遅延になるとのことです。
・40 Gbpsファブリックインターコネクトへの接続の対応
UCSファブリックインターコネクト(以下、FIと省略)の第三世代モデルであるUCS6300シリーズに対応し、40Gbpsネットワークが利用可能になります。オールフラッシュモデルの対応と合わせて、より高い負荷に対応できるようになりました。
・既存FIへのHyperFlexノード追加
これまではHyperFlex専用のFIが必要であることが運用面および費用面での課題でしたが、2.0からは既存FI環境にHyperFlexノードを追加して構成することが可能になります。これにより、既存のFIを有効活用してUCSサーバーとHyperFlexをUCS Managerから統合管理することが可能となります。既にUCSとFIをお持ちの環境では管理効率が良くなりますね。
・HyperFlex Edge(ROBO)登場
リモートオフィス/ブランチオフィス(ROBO: Remote Office and Branch Office)向けに設計されたシンプルなソリューションで、HX220ハイブリッドモデル3ノード構成。FIなしで1Gbネットワークが利用可能。ただし、拡張はできません。
ROBO向けとはなっていますが、FIが不要ということもあり、小規模案件でも検討できるかもしれませんね。
・ その他に、HTML GUIオプションの提供やRESTful APIのサポートといった操作性の向上に関連したアップデートも含まれます。
3.まとめ
いかがでしょうか。HyperFlexも他のHCIと同様に継続的にアップグレードが行われて進化していることがご理解いただけたかと思います。HyperFlexを選択する一番のメリットは、FIとUCS Managerでの統合管理だと思いますので、既にUCS環境が導入済みのお客様には最適なHCIです。また、まだUCS・FI環境をお持ちでない場合もまずはHyperFlex+FIを導入して、その後に続くサーバー導入にもUCSを選択いただくことで同様に統合管理が実現できます。
ぜひHCI選択の候補にHyperFlexもご検討ください。
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