皆さんこんにちは。てくさぽBLOGメンバーの佐野です。
私は今、IBM のグローバルイベントである「IBM InterConnect 2017」(以下 InterConnect)に参加するため、ラスベガスまでやってきています。
InterConnect は 3/20-23 の 4日間開催で、IBM 社の最新の情報や事例などのセッションが 2,000 以上も組まれているため(当然全部は聞けません)、非常に密度の濃いイベント内容となっています。
クラウドサービス(Bluemix)やセキュリティ、Watson と言った IBM が注力している製品群に加えて、マイクロサービスやブロックチェーンといった最新テクノロジーや従来からある WebSphere Application Server といった製品に至るまで幅広い範囲をカバーしています。
このイベントの基調講演は 3/20 と 21 の 2回 に分かれていますが、本記事では内容をまとめて要約してお届けします。
1.注目トピック
Watson 関連でいくつか発表・言及がありました。
既に発表済みではありますが、Watson の質疑応答システムと QRadar が連携してインシデントの絞り込みや洞察を得るのに役立つ IBM QRadar Advisor with Watson の紹介、Watson Visual Recognition を使った画像解析のソリューションについてもデモを交えて解説をしていました。
セキュリティに関しては、先の QRadar の話と、セキュリティの免疫システムである「IBM Security Immune System」について話がありました。
Security Immune System は概念の話で、製品の話ではありませんが、昨今は全てのセキュリティリスクをシャットアウトすることは非常に困難であり、またセキュリティインシデントの数も非常に大量に発生することから、人間だけでは対処しきれない状況となってきていますので、Watson も活用しつつ、セキュリティ対策をしましょう。というのがざっくりした内容です。
ブロックチェーンに関しては、ダイヤモンドの原産地証明などのためにブロックチェーンを活用している事例を発表しました。
ダイヤモンドの取引では、戦争の資金を得ることなどの目的のために、ダイヤモンドを利用することを禁じる「キンバリー・プロセス」に準拠する必要があります。
原産地を証明する、価値を証明するためにも、改ざんが不可能な監査台帳が必要となり、そのプラットフォームとして IBM のブロックチェーンが利用されています。
2.協業関連
IBM と他企業との協業関連としては以下の発表がありました。
・RedHat 社との協業: IBM クラウド上で RedHat 製品をサービスとして提供
・Indiegogo + Arrow Electronics + IBM(Watson) : IoT の協業でスタートアップ企業に対して Watson サービスの利用促進
・Galvanize との提携 : Bluemix Garage の一環で、Watson API を主とした機械学習に関する協業
・Intel 社とのパートナーシップ: エコシステムを構築するために、Intel 社とのパートナーシップを提携
Salesforce 社とのパートナーシップは既に発表済みですが、Salesforce CEO のマーク・ベニオフが2日目の基調講演で登壇していました。
3.2日目の IBM CEO ジニー・ロメッティーのメッセージ
要約すると、IBM は以下の強みを結びつけることで大きな課題を解決できる、と言っています。
・Enterprise Strong :業界向けのノウハウを豊富に持っているので、業界特化のソリューションを提供できる
・データファースト:お客様が持っているデータを利用して、分析により洞察を得たり、またそのデータをより活用するためのデータ管理ソリューションなどを提供できる
・コグニティブ:いわずもがな、Watson のことです。画像解析にはもちろん、音声認識も人間を超える数値をたたき出している
4.その他
・金融向けに特化した「IBM Cloud for Finacial Services」の発表:決済などの機能を持ったクラウドサービスの提供
・IBM Cloud Automation Manager :マルチクラウドの環境を単一のコンソールから操作することが可能となる製品
・Kubernetes のコンテナーが IBM Cloud (Bluemix)上で動作可能に
・Hyperledger Fabric v1.0 : IBM のブロックチェーンがついに正式リリース版に
・IBM Cloud Object Storage Flex :詳細は不明ですが、エクサバイトクラスのデータを 99.999 % の可用性で運用可能なストレージプラットフォーム。AWS などと比べても費用が安価になるとのこと
参考:ZDNetの記事:IBM InterConnect 2017開幕–AWS、Azureを強く意識
5.最後に
全体的な印象としては、Watson を既存製品と組み合わせや企業を跨った協業ソリューションの活用に関する内容が多かったように思います。また、セキュリティにもいくつか言及していたので、注力する姿が見られました。
会場はとても広く、セッション会場が 30以上あることもあり、場所によっては移動で 10分以上はかかる、なんてことも結構ざらにあります。
また、海外のイベントであるため、基調講演などの特別なセッションを除いては当然全て英語です。時々何を言っているか理解できないこともありますが、それもまた勉強、ということになるでしょうか。
最新の情報をいち早く入手したい!この分野の詳しい情報をゲットしてビジネスに役立てたい!という目的には最適ですので、興味がありましたら是非来年の参加を検討してみて下さい。
(現地の様子)
・自分が座った席から撮った基調講演会場の様子。右側がステージとなります。まだ少し空席がありますね。
・基調講演終了後の帰り道。参加者が多いのでめっちゃ混んでます。みんなが個別セッション会場に向かうので、途中までこんな状態が続きます
<3/28更新>
現地で行動を共にしていたNI+Cの大島さんもブログを書いていますので是非こちらも参考にしてください。
[InterConnect2017]現地レポート 3/19
[InterConnect2017]現地レポート 3/20
[InterConnect2017]現地レポート 振り返り
[InterConnect2017]現地レポート 最終日
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